哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

【文芸創作~詩と小説~】

妖精の干し芋

fusanoeki.jp ■妖精の干し芋 (執筆中) ■ちょっと関連 philosophie.hatenablog.com

《行進》

■《行進》 日が短くなった。《行進》に加わって三日目の夕刻、そんなことに気がついた。青々と着彩した作り物のような空の彼方に、日が傾きかけて、そちらの方は朱が混ざって見える。つらい《行進》の合間であるが、秋の高い空を見上げることは楽しかった。…

2021年9月の徒然なること

■2021年9月の読書のこと「華より幽へ 観世榮夫自伝」 ●「華より幽へ 観世榮夫自伝」(観世榮夫・北川登園/白水社)のこと 観世榮夫は七世観世銕之丞雅雪の次男として1927年8月3日に誕生。兄は観世寿夫、弟は八世銕之亟静雪、現在の銕之丞暁夫は甥にあたる。…

ぎふてっど

■仇櫻堂創業一周年記念創作まつりのこと いつも当ブログ「哲学講義 仇櫻堂日乗」の活動にご理解をいただき、厚く御礼を申し上げます。2021年9月24日、当ブログは開設3年半を迎えます。私がもう一つ「仇櫻堂」という場を作ったのは一年前、2020年9月16日でし…

冬支度

■仇櫻堂創業一周年記念創作まつりのこと いつも当ブログ「哲学講義 仇櫻堂日乗」の活動にご理解をいただき、厚く御礼を申し上げます。2021年9月、当ブログは開設3年半を迎えます。私がもう一つ「仇櫻堂」という場を作ったのは一年前、2020年9月16日でした。…

GIFT

■仇櫻堂創業一周年記念創作まつりのこと いつも当ブログ「哲学講義 仇櫻堂日乗」の活動にご理解をいただき、厚く御礼を申し上げます。2021年9月、当ブログは開設3年半を迎えます。キリが悪い……。 ⇩ 参考:開設日【あとがき】読んでくださって、ありがとうご…

幻の東京五輪

■幻の東京五輪 ●青木直樹(当時、58歳会社員・所沢市)の証言 運良く、開会式に当選したんです。インターネットで抽選でした。申込みの初日には、Webサイトへのアクセスが集中して、一時間待ちとか、ざらでしたね。家族で観に行って、新しくなった国立競技場が…

ヴァレンタイン・デイ

■ヴァレンタイン・デイ ヴァレンタインの夜、ある郊外の洋館にまつわる血塗られた歴史が繰り返す。動き出した歯車はもう止まらない。ノンストップ・アクション・ホラー。 そもそもウァレンティヌス(聖バレンタイン)は、3世紀頃の人物で、故郷に妻子を残し…

鳶田基雄は継続する

■鳶田基雄は継続する 私が鳶田基雄であるという固有性を、私の人格と呼ぶのなら、その人格は何に由来するものだろう。恐らく、記憶というのが妥当なところだろう。二人以上の人物の入れ替わりを描いた作品は大抵、ある人物の肉体Aに、別の人物の記憶bが入り…

宗八④

■宗八④ 【前】 philosophie.hatenablog.com 【最初】 philosophie.hatenablog.com ●Versuch über die Krankheiten des Kopfes 宗像新八は文章にひと段落をつけてノートパソコンから目を離した。これで、とりあえず形になった。そう、多少の安心感はあったし…

ステイホームのこと②

■ステイホームでできる10のこと 今日、歩いていてふと思ったことがある。所得が30万の人と、60万の人がいた時、昨今のコロナによる経済の縮小に伴い、減給されるとしたら、①同率、例えば20%減で24万・48 万とするのが良いのか、②同額、例えば9万減で21万(3…

冬の旅

【本記事が3/12 22:00に草稿段階で投稿されるミスがありました。申し訳ございません。3/29 22:00完成版を再投稿いたします。】 ■冬の旅 バタバタと日常をこなすうち、執筆にかける時間が取れなそうであり、(しかし、その危機は、諸々の事情で回避されたので…

ポケットティッシュのこと

【本記事が2/9 0:00に草稿段階で投稿されるミスがありました。申し訳ございません。2/9 22:00完成版を再投稿いたします。】 ■ポケットティッシュのこと これはある家に思い出として埃を被っていた、ポケットティッシュたちを、虚実入り交えて紹介する、ドキ…

ずっと公共交通機関のこと

■九回目の世界の低次化について・抄 彼女が池袋から帰る道すがら、また先程のようなへんてこな男性に絡まれてしまうと可哀相なので、僕は少し変った電車を考案してみよう。 電車の基本的な外観はいつもの直方体で車輪がついたあの形であるが、その電車には側…

宗八③

■宗八③ 【前】 philosophie.hatenablog.com 【最初】 philosophie.hatenablog.com ●Kritik der praktischen Vernunft スマートフォンからけたたましく鳴るアラーム音が聞こえた。手探りで端末を探して、時間を確認する。目覚ましをセットした時間から、30分…

風邪のこと

■風邪のことphilosophie.hatenablog.com 風邪を引きました。ということで、書き始めた先週の記事である。「かぜをひく」と言うが、「ひく」は「引く」で合っているのか、ふと気になってしまって調べてみたところ、「風邪をひく」とは、人間に悪い影響を与え…

&夏・抄

■はじめに 風邪を引きました。新しく作文する元気がないので、安藤なつさんのご結婚によせて、昔書いたあんドーナツ賛美の物語を、掲載します。 ■&夏・抄 ●解(説/脱) 「別にハイネケンだっていいんだけどさ、きょうはバドワイザーなんだ。理由は聞くなよ…

ウェアラブル端末を買ったこと

■ウェアラブル端末を買ったこと この半年だか、一年だか、いや、もっとであろうか。私はスマートウォッチなり、アクティブトラッカーなり、活動量計なり、そういったものひっくるめて、なんらかのウェアラブル端末がほしいと、調達を模索していた。 ウェアラ…

最近のこと

■最近のこと 最近のことを書こう。彼は新幹線に乗っていた。東京駅で新大阪駅行きののぞみに乗り込むと、スポーツ新聞を広げる。隣の男は、なにやら大荷物でノートパソコンを覗きこんでいる。 彼は新幹線が三河安城を過ぎた辺りでトイレに立ち、身支度を調え…

亜熱帯

汝にかかわりなきことを語るなかれ しからずんば汝はこのまざることを聞くならん ■古書店 分厚いハードカバーの本の表紙には、開かれた本、浜辺とヤシの木、そして人間が描かれていた。本のタイトルは『熱帯』とある。 私はその本を持って、電車に揺られてい…

天気の子のこと

■新海誠監督、『君の名は。』の前と後。 『君の名は。』の大ヒットで一躍、有名監督となった新海誠監督の最新作が、ついに今夏公開された。『天気の子』である。私は本日(2019年8月4日8:00現在)、この作品を鑑賞に映画館に足を運ぶ予定である。これから映…

穴と雪の城王のこと

■穴と雪の城王 夏であった。のぶ君はへばっていた。暑い。甲府の夏は暑すぎる。遮るもののない太陽の日差しが燦燦と照り付け、のぶ君の肌を焼いた。太陽の熱は逃げ場がなく、甲府盆地に居座り続ける。 そうでなくとも、いとこの勝頼のわがままに振り回され、…

武田神社薪能のこと

■武田神社に行ってきた! 十一時丁度之梓十一号デ私ハ私ハ私ハ私ハ旅立ツゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ。人気デュオのハンターズの歌声がラジオから流れていた。 平成三十一年五月二十五日、夢の中では妙なことに、元号が令和というものに変わっており、何らかの政…

もっと公共交通機関のこと

philosophie.hatenablog.com ■もっと公共交通機関のこと 先日、夢の中で私は未来に行っていた。未来では路線図が今と変わっているようで、職場に通勤するのに、多少遠回りをしなければいけなくなっているようであった。しかし、よくよく調べてみると、通勤に…

新作長編のこと

■新作長編 タイトル 第一章 君がいた夏は、遠い夢の中。空に消えてった、打ち上げ花火。 ブラウン管の向こうでは青いユニフォームを着たチーム同士が野球をしており、打席に立っているのは宮本慎也という選手だと画面のテロップは告げていた。私はそんなテレ…

『フォルトゥナの瞳』公開に寄せて

●Fortuna 2019年2月、映画『フォルトゥナの瞳』が公開された。これは百田尚樹氏による小説の映画化であり、ある日、死期が近い人が透けて見えるようになった男性とその恋人とのラブストーリーである。私はこの原作小説を読んでいないし、映画も観ていないし…

宗八②

■総特集森見登美彦の感想のこと 本日借りたり閲覧したりした資料 ●経緯 【参考1】 #文藝別冊森見登美彦 #その1 #森見登美彦●『文藝別冊総特集森見登美彦』の感想のこと作家森見登美彦を特集した本を読み終えた私は、静かに本を閉じて、ため息をついた。なん…

宗八①

■珈琲ショップのこと トイレの脇におにぎりがおきざりにされていることもある。 ■宗八① ●Zum Ewigen Frieden だから、問題なのはスキンヘッドの人間が、果たしてシャンプーを使うのか否かなわけさ。え? いいかい、家の風呂場のボディーソープがなくなってし…

世界はおばあさんでできている

■世界はおばあさんでできている その日は、前日までの夏日が嘘のように、急に肌寒くなった日であった。仕事帰りの電車は、都市部を離れるにつれて、徐々に人影もまばらになり、私の住む町に着くころには、ただくたびれたスーツを着た中年の男性が、ぼんやり…

リアルじゃんけん2018

■リアルじゃんけん2018 『じゃんけん合戦統一規則』 第一章【基本ルール】 1.各プレイヤーは20を持ち点とする。 2.じゃんけんをする。 3-1.あいこであった場合、各自はaを持ち点から減少させる。 3-2.aの基準値は1とする。 3-3.改めてじゃんけんをして、また…