【文芸創作~詩と小説~】
範田素量の脱糞すること 範田素量(はんだそりょう)は日向国飫肥藩(ひゅうがのくにおびはん)の忍びであった。というと、さも危険な香りのするハードボイルドな仕事のように思われる向きもあろうが、それは彼の勤めの実際とは、大きく乖離した想像である。…
■カフェにて 小粋なジャズが流れていた。軽妙なピアノの音と、楽し気な管楽器の音が響き、僕の心は少し、軽やかになる。 しかし、と僕は目の前のノートパソコンに向かった。僕には書き上げなければならない物語がある。この物語を、今夜10時までに書かなけれ…
■文筆について 文筆について書いてみたいと思う。文筆、とりわけ小説については、私は長い手紙だと思っている。言い換えれば文筆は、コミュニケーションの一形態である。文芸の創作、アートの神髄、芸術性の発露、黒い欲望の濁流、そんな素敵なものではない…