哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

【能楽どうでしょう】

2022年2月の徒然なること

■2022年2月の徒然なること かもめブックス(東京都新宿区) プリンは美味しかったがややサイズが小さかった……。 ●第41回青葉能「羽衣」他 @青葉の森公園芸術文化ホール のこと 千葉県千葉市にある青葉の森公園芸術文化ホールにて2022年2月13日に開催された…

第6回善之会「蛸」「茸」他 @梅若能楽学院会館 のこと

■2021年11月17日(水)第1回伶以野陽子後援会主催公演 @梅若能楽学院会館 のこと 梅若能楽学院会館は能楽堂であることが巧妙に隠され、住宅街に潜んだ立地……、というか、いささか潜みすぎてるのでは? 本当にここ? はい、そうです、臆せず進みましょう。そ…

Ado 1st Album「狂言」のこと

■ado 1st Album「狂言」が2022年1月26日に発売予定、ところで狂言って何ですか……? ある日の小学校の国語の授業が柿山伏という狂言について知る授業だったんですけど、とりあえず教科書をぼ~っと読み漁っていたら、シテ と アド という2つの単語が目にとま…

2021年11月の徒然なること

■2021年11月の徒然なること 徒然なるままに、その日暮らし、蜆に向かいて……。 ●徒然なること 千葉市の青葉の森公園芸術文化ホールにて行われた、「青葉伝統芸能講座」に行ってきた。 こちらは、2022年2月13日(日)に予定されている第41回青葉能(金春流によ…

映画等のこと⑦「おかえりモネ」その他の連ドラたち

■映画等のこと⑦「おかえりモネ」その他の連ドラたち 最近(2021年7~10月頃に放送終了した作品)もたくさんの連続ドラマを見たが、圧倒的に私が熱中したのが「おかえりモネ」(NHK)である。本作を中心にその他の連続ドラマについて述べていく。 ●おかえりモ…

2021年9月の徒然なること

■2021年9月の読書のこと「華より幽へ 観世榮夫自伝」 ●「華より幽へ 観世榮夫自伝」(観世榮夫・北川登園/白水社)のこと 観世榮夫は七世観世銕之丞雅雪の次男として1927年8月3日に誕生。兄は観世寿夫、弟は八世銕之亟静雪、現在の銕之丞暁夫は甥にあたる。…

東京2020 オリンピック・パラリンピック能楽祭 ~喜びを明日へ~「翁 十二月往来・父尉延命冠者」他 @国立能楽堂 のこと

■東京2020 オリンピック・パラリンピック能楽祭 ~喜びを明日へ~「翁 十二月往来・父尉延命冠者」@国立能楽堂 のこと 東京・千駄ヶ谷の国立能楽堂にて、東京2020 オリンピック・パラリンピック能楽祭 ~喜びを明日へ~ 第一日目 を拝見した。こちらは1945…

2021年7月の徒然なること

■2021年7月の徒然なること このブログ「哲学講義」には副題がついていることを、ご存知だろうか? 今は「仇櫻堂日乗」としている。仇櫻堂というのは私が一箱古本市に出店するときの屋号である。その前は「あるいは哲学抗議」であった。ブログを開設した当時…

2021年6月の徒然なること

■2021年6月の徒然なること 眠り過ぎて(昼寝)、自己嫌悪になりながらこれを書いている。「心が眠りたがっているんだ」というタイトルが思い浮かぶが、その話は今はおいて、一心不乱に徒然する。 ●2021年6月金春円満井会定例能(2020年6月延期分)第1部「加…

読書会のこと①「能の物語りを読んでみよう!-加茂-」

■能の物語りを読んでみよう!-加茂- のこと シテ方金春流能楽師の柏崎真由子さんが主催する、オンライン(zoom)での、謡本(能の台本)の読書会である「能の物語りを読んでみよう!-加茂-」に参加したため、感想を記す。なお柏崎さんは、2021年6月26日…

第31回久習會のこと @国立能楽堂「船弁慶」他

国立能楽堂(東京都渋谷区) 最近、拝見した能楽公演の感想を記す。 ■2021年3月30日(火)第31回久習會のこと @国立能楽堂「船弁慶」他 シテ方観世流橋岡家の玄人門下による、第31回久習會公演を拝見した。狂言「魚説経」能「船弁慶」。 能楽公演は原則的に…

映画等のこと③2021年3月までの連ドラたち

■映画等のこと③2021年3月までの連ドラたち 最近(2021年1~3月頃に放送終了した作品)もたくさんの連続ドラマを見た。「六畳間のピアノマン」(NHK)「相棒 season19」「にじいろカルテ」「24 JAPAN」(以上、テレビ朝日)「俺の家の話」「天国と地獄~サイ…

2021年2月の徒然なること

■2021年2月の徒然なること ーALCA DELI.ー(門司港名物焼きカレー・千駄ヶ谷) さあ今月もやってまいりました、貴方と私の徒然タイムです。 ●もしも偉人が旅したら ~行き先は室町時代⁉~ のこと @宝生能楽堂「三輪」他 宝生能楽堂にて、「もしも偉人が旅し…

第五回善之会のこと @観世能楽堂「寿来爺」

2021年が始まったが、気にせずに2020年12月に拝見した舞台の感想を記す。 (左)銀座マロニエ通り/観世能楽堂 ■2020年12月22日(火)第30回久習會のこと @国立能楽堂「春栄」他 久習會はシテ方観世流の橋岡會の門下生による公演である。能「和布刈」狂言「…

絵画等のこと③「能をめぐる美の世界」@静嘉堂文庫美術館 他

あやしうこそものぐるほしけれなので、2020年11月の徒然なる絵画等のことを、大いに語ります。 ■絵画等のこと③ ●「成田美名子原画展」@有楽町マルイ8Fイベントスペース 有楽町で開催された、漫画家のの成田美名子の原画展。整理券制で15分ほど待たされ、ま…

2020年11月くらき蝋燭能のこと @久良岐能舞台「六浦」

■2020年11月くらき蝋燭能のこと @久良岐能舞台「六浦」 久良岐能舞台(横浜市磯子区) / 能「六浦」の舞台である称名寺(横浜市金沢区) ●蝋燭能のこと そもそも能とは野外で演じられていたものだそうだ。能舞台を囲むように敷き詰められた白洲(白い小石)…

2020年8月の読書のこと「機巧のイヴ」

■機巧のイヴ(乾緑郎/新潮社)のこと 「乾緑郎の改変歴史時代SF《機巧のイヴ》三部作完結! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌」を読んで、この作品に興味を持った。読んでみて、大正解。少し前に今年はあまり面白い本に出会っていないと記したが、先日…

2020年8月金春円満井会定例能のこと @矢来能楽堂「葵上」

■2020年8月金春円満井会定例能のこと @矢来能楽堂「葵上」 ●2020年8月金春円満井会定例能第3部「葵上」のこと 去る8月10日(月・祝)、東京・神楽坂にある矢来能楽堂で催された、金春円満井会定例能を拝見してきた。これは当初、4月18日(土)に開催を予定さ…

2020年7月の読書のこと「レバノンから来た能楽師の妻」

■レバノンから来た能楽師の妻(梅若マドレーヌ/岩波書店)のこと まず、レバノンとはどこですか、という話であるが、下の通りである。 中東である。本書でも簡単に経緯が解説されているが、レバノンは政情不安定な国であるそうだ。フランス委任統治下にあっ…

能の演目のこと②

■能の演目のこと(場面 / 上演時間) 下記のWebページ、”the能ドットコム”の”能楽・演目事典”に掲載の92曲のDATA欄より情報をとり、能の場面(舞台)や上演時間に従って、整理を行う。現在演じられている能の曲目は約240曲だそうなので、その半分も網羅でき…

能の演目のこと①

■能の演目のこと(題材・典拠 / 作者) 下記のWebページ、”the能ドットコム”の”能楽・演目事典”に掲載の92曲のDATA欄より情報をとり、作者や題材等に従って、分析を行う。現在演じられている能の曲目は約240曲だそうなので、その半分も網羅できていないが、…

平知盛のこと

■平知盛のこと 「見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん」みたいなことを言って、壇ノ浦に沈んだ人を知らないだろうか。そう、高校の古典の教科書等でご存知の方も多いであろう、平知盛である。父は平清盛で兄弟に宗盛や建礼門院徳子(高倉天皇の中宮で…

能舞台の世界 ( 小林保治・表きよし[編集] 石田裕[写真監修] /勉誠出版 ) のこと

中尊寺鎮守白山神社能楽殿 ■能舞台の世界 ( 小林保治・表きよし[編集] 石田裕[写真監修] /勉誠出版 ) のこと 標題の書籍を読了した。この本は二部構成で第一部は能舞台の歴史や概略、鏡板の松についてなど、能舞台全般のことが記されている。第二部では、各…

日本舞踊「歌舞伎舞踊」×能楽「仕舞」 @青葉の森公園芸術文化ホール のこと

■日本舞踊「歌舞伎舞踊」×能楽「仕舞」 @青葉の森公園芸術文化ホール のこと おなじテーマの日本舞踊・能楽の踊りを、演者による解説を交えて見比べます。2020年2月23日(日)13:00開演演目:菊慈童(枕慈童)、松風出演・講師:藤娥勘寿娥(日本舞踊藤間流…

巴・鵜飼のこと

■立春能 @宝生能楽堂 のこと 2020年(令和2年)2月2日、我が職場の来館者用記念スタンプの「2」が枯渇した日、私は宝生能楽堂の女性能楽師による会を拝見していた。 女性がシテ(主役)を勤める能と、その合間に狂言を6時間ぶっ続けで鑑賞できて、自由席5,0…

続々・最近見たもののこと

以下の通り、最近見たものについて説明するものである。3つのトピックをあげて計画されしこの記事であるが、3つ目の記事を書かないという荒業によって完成を見た。その分、2つの記事について、濃度の濃いものになっているかというと、そういうわけでもない。…

名残の花(澤田瞳子/新潮社)のこと

名残の花 作者:澤田 瞳子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/09/26 メディア: 単行本 ■名残の花のこと いまもっとも勢いのある若手時代小説作家である、沢田瞳子の『名残の花』を拝読しました。元南町奉行の老武士鳥居胖庵と、金春座の地謡方の若手能楽…

東北・船弁慶のこと

先日、矢来能楽堂で行われた円満井会定例能を拝見した。その時の演目について、思ったことと学んだことを記す。(注連縄が張ってありました、お正月だからでしょう) ■東北のこと すべで津軽弁で上演される、珍すいお能。東北地方出身の僧がいわぐありげな梅…

小督・羽衣 のこと

先日、宝生能楽堂で行われた銕仙会定期公演を拝見した。その時の演目について、思ったことと学んだことを記す。 ■小督のこと あるところに夫婦がいた。裕福な夫婦で召使を何人も抱えていたが、その妻に付いている召使の一人に夫が手を出し、惚れこんでしまっ…

頼政・葛城・百万のこと

百万……? 能を見る前は、できるだけその演目について、知ってから鑑賞するようにしている。特にこのところ大切に感じているのは、詞章を読み込むことである。能の詞章(セリフとウタイ)は、室町時代の文語で書かれているので、意味がパッと分からないことが…