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■壁を登ること
先日、知人に誘われてボルダリングに行ってきた。ボルダリングとクライミングの違いが今一つわからなかったが、クライミングの中で低い壁を、シューズとチョークといった最低限の道具で登ることを、ボルダリングと言うらしい。
楽しかったし、良い運動になった。私は腕の力でわしわし登っていくものと思っていたが、どうもそれだけではないらしい。肘を曲げて、身体を支えようとすると二の腕が疲れてしまうので、腕はだらんと伸ばして、足腰を上手く使いながら登っていく。ただ単純に体力勝負ではなく、登るための順路を考えたり、足をどこに置くかなど、頭を使いながら上達していくスポーツのようだ。がむしゃらに二時間、壁の様々な課題に挑み続けた私の腕、特に前腕はなんとなく力が入らなくなり、筋肉痛まではいかなくとも、回復に時間を要したという。
それはそうと、ボルダリングの壁は社会の壁である。ボルダリングもそうであるし、その他のスポーツも、力だけではどうにもならない。基礎体力の上に、技術、そして頭がないと、登りきることはできない。それは社会の壁も同じであろう。
社会の壁に挑むにあたり、折に触れて立ち止まり、ルート手順を見極めながら、頭を使いながらすごしていきたいものである。