■伊豆シャボテン動物公園のこと
★概要
伊豆シャボテン動物公園は神奈川県伊東市にある動植物園であり、その名の通り当初(1959年に開場)はシャボテン(サボテン)が中心の施設であったのだろうし、また今も非常に大きな温室に多種多様なサボテンを生育しているのだが、今は園内に放し飼いにされた動物がたくさんおり、むしろそちらを目当てに来場する人が多いのではないかと思われる。長年、動物が大量にいる割に、伊豆シャボテン公園という名称を通してきたが、そうした自己矛盾を抱えながらの運営は、己のアイデンティティの確立に大いなる壁として立ちはだかり、世間の圧力に押される形で2016年に現在の名称に改称している。
★動物たち
●カピバラ
インディオのツピ族の言葉で草原の支配者、の意。別名鬼天竺鼠。鼠の仲間の中で最大種であり、体長80㎝、体重は60㎏にもなる。オスには鼻の上にモリージョという黒い部分があり、臭いをこすりつけることで、縄張りやメスへのアピールに使う。鼻、目、耳が一直線に並んでいるため、水の中から少し顔を出すことで、全てを水の上に出すことができる、カバと同じ顔のつくりをしている。前足には4本、後ろ足には3本の指があり、間には水かきがついている。
●ケープペンギン
アフリカペンギンとも。アフリカ南部の海岸に生息しており、名前の由来は南アフリカのケープ地方より。強い定住性を持ち、故郷から700㎞離れた海に放された個体は、ほぼ最短距離で帰ってくる。
●ハシビロコウ
動かないことで有名なペリカン目ハシビロコウ科の鳥。シャボテン公園のビルは、1971年スーダンのハルツーム動物園より来日した、世界最長寿と考えられているハシビロコウである。
★伊豆シャボテン動物公園に行ってきた
私は疲れていた。ここ最近忙しい日々が続き、特に肉体的な疲労を強く感じていた。そのため、9月の後半に連休を取れるにあたり、とにかく身体を休ませることを考え、温泉につかることにした。とはいえ、私は温泉に対する適切な知識を有していなかった。どこに何温泉があり、いまから宿泊に行けるのはどこか、わからなかったのだ。それゆえ、私は判断をJTBの案内係に丸投げした。この日程で、この予算で、一人で温泉宿に宿泊したい。そのリクエストに応えてくれるJTBさんは素晴らしいと思う。ま、この予約の話は別で語りたいこと(
https://www.youtube.com/watch?v=wuUzOR2bqSQ&t=20s
)があるのだが、それはともかくとして、私は伊東に行くことになった。伊東に行くならハ!ト!ヤ!、ではなく、別のホテルに宿泊した。ここで一つの問題が発生するのである、私は伊東に対する正しい知識を、やはり有しておらず、そして旅の一日は温泉につかるだけで済ませるにはあまりにも長く、というか交通費を支払ってまで千葉の田舎から静岡くんだりまで出かけて、温泉だけで帰るのはもったいなかったので、観光がマストであった、にもかかわらず、私は伊東の観光地を一つも知らなかったのである。そこで案内書を熟読し、最もナウいと思われるスポットに突撃することにした、それが伊豆シャボテン公園である。
伊豆シャボテン動物公園の放し飼いの動物たちはどれも素晴らしい。総じて動物との近さを感じることのできる施設であった。私は一つ300円等のエサ代の高さを嫌って、ついぞ彼らに餌付けをすることはなかったが、それでも周りの子供らが笑顔で動物たちにご飯を食べさせるのを見ているだけで楽しかったし、そんな感じで人なれした動物たちは、遠慮なく私に対しても近寄ってきてくれ、もふもふすることができたのだ。
中でもカピバラに触ることができたのは良い経験であった。カピバラはおっきなネズミである。可愛い。冬場は温泉に入るそうだが、今は晩夏である。彼らはご飯の草を持っている人にぬほりんと近づいていくし、それ以外の人がさわさわ撫でても、ほぼ動じない。カピバラの毛は短く、少し太いのかゴワゴワしていて、固く感じる。例えるなら山羊の毛並みが近いだろうか。
また、カンガルーやワラビーに触ることができたのもよかった。ここはオーストラリアではないのに、カンガルーがたくさんいた。そしておやじのようなだらしない恰好をして、くつろいでいる奴らは、簡単に撫でさせてくれるのだ。カンガルーの毛は短く、少し太いのかゴワゴワしていて、固く感じる。例えるなら山羊の毛並みが近いだろうか。
またミミナガヤギという、面白い顔の山羊にも出会った。耳がてろんと垂れているさまはおしゃれでさえある。ハリウッドにいそうな山羊であった。ゴロンと横になって首をもたげている彼を、私は容易に撫でることができた。ミミナガヤギの毛は短く、少し太いのかゴワゴワしていて、固く感じる。例えるなら山羊の毛並みが近いだろうか。
結論として、たいていの動物の撫で心地は、山羊のそれに近いので、気になる人は山羊を飼えばよいと思う。それでは、次回のゆかいな山羊日記でお会いしましょう。ばいばい。