哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

「大名家の能装束と能面」&「森の動物とキノコ展」のこと

 
■渋谷と高円寺を梯子しました

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 秋も深まり、カフェ・ド・クリエの空調も肌寒く感じる今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。私はこの日曜日は、渋谷と高円寺を梯子して、精力的に動き回りました。

 渋谷では、渋谷区立松涛美術館で行われている、「大名家の能装束と能面」展を鑑賞し、ワークショップ「紋切りあそび」を楽しんできました。上の画像が私の作成した紋、五大桜とでめきん(お手本より太め)です。

 また高円寺では、galleryたまごの工房にて行われている、「森の動物とキノコ展」にて、田中美香さんの作品を見てまいりました。野ネズミやヤマネたちの可愛い世界を描いた作品で、作品には金額的に手が届きませんでしたが、上の画像のグッズ(ポストカードとマスキングテープ)を購入してまいりました。

 

大名家の能装束と能面|松濤美術館

Gallery たまごの工房

 

 また、その間、お昼ご飯に渋谷の、風来居にて、しおらーめんを頂戴しました。山頭火の流れをくむお店だそうで、濃厚でありながらしつこくないスープに、かための細麺がよく合いました。チャーシューもトロトロで美味しかったです。

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 ■「林原美術館所蔵/大名家の能装束と能面」@渋谷区立松濤美術館

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 渋谷駅から、歩いて15分~20分ほど、むしろ京王井の頭線神泉駅が最寄となる、松濤の地にこの美術館はあります。おそらく訪れるのは2014年の「ねこ・猫・ネコ」展以来、二回目です。

 展示室はさほど広くなく、地下一階と二階のみなので、一時間あればじっくり鑑賞できるのではないかと感じました。旧岡山藩池田家が所蔵した能装束等は、一部は旧財閥野崎家に、残りは林原美術館へと引き継がれたようで、その林原美術館の所蔵している能装束等で今回の展示は構成されています。

 とくに素晴らしいと思ったのは、解説が丁寧な点です。代表的な女性/男性/貴人や神など、の出立について解説した上で、その代表選手ともいえる装束が展示されているので、今まで混沌としてた、大量の種類の能装束たちが体系的に理解できます。唐織、長絹、舞衣、狩衣、等々、それぞれをどんな人がどんなタイミングで使うのか、きちんと例として、この演目の、この人物が着ています、と示してくれるので、わかりやすいのです。

 能面、中啓、蔓帯、腰帯も同様に展示されています。会期は11月25日まで。能楽初心者にもわかりやすい展示なので、是非是非足をお運びください。二階展示室の前には、下の画像の様な、能面の札があり、国立能楽堂能舞台の鏡板を模した壁の前で、こんなインスタジェニックな記念撮影ができますので、おすすめです。

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 また地下二階ではワークショップ「紋切りあそび」が行われていました。折り紙を、二つ折、三つ折、四つ折、五つ折にして、そこに型紙のデザインを写し、はさみで切り落として開くと、素敵なお花の形や家紋が出来上がる、というものです。まず一番難しいという、五つ折の折り方を教わり、あとは自由に作成して、最後に画用紙をくださるので、そこにレイアウトして楽しむことができます。

 このために紋切りを勉強したという学芸員さんが、とても親切に教えてくださり、出来上がったものをほめてくださるので、大変楽しくすごすことができます。参加無料、次回は11月1日に同内容のワークショップがあるようですので、これを機会に紋切りデビューしたい方は、ふるってご参加ください。

 

■「森の動物とキノコ展」@たまごの工房

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 高円寺は不思議な街です。上の画像はガード下の飲み屋街の様子ですが、ここに限らず駅の周りはごちゃごちゃと、小さな飲食店や、雑貨屋、洋服屋、ギャラリーが軒を連ね、雑多な印象を受けます。今日は高円寺フェスなる、秋の文化祭が行われており、駅前の至る所に歌うたいが出没する等していたため、余計にごちゃごちゃと賑わっているように感じました。そんな賑わいを横目に、5分ほど歩くと、galleryたまごの工房はあります。

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 森の動物とキノコ展では、さほど広くない店内に、数名の作家さんの作品、グッズたちが所狭しと並べられており、楽しい空間となっておりました。お目当てであった田中美香さんは前回、斉藤いつみさんの馬の絵を見に行った、アートコンプレックスセンターでのANIMAL PLANETにて知った方で、ネズミの絵を描く方です。

 私は絵本の『のばらの村のものがたり』シリーズが好きで、子供のころ母親に読んでもらった思い出があるのですが、その楽しく温かいネズミたちの世界と作風が似ていて、とても優しい気持ちになる作品です。そんなことを以前にツイッターでつぶやいたところ、田中さんも『のばらの村のものがたり』に影響を受けた旨、お返事をいただき、なるほどと思ったものです。

 どのネズミさんも、何か物語のありそうな雰囲気の、奥行きのある作品の中で生き生きとしています。作品原画には金額的になかなか手が出ませんでしたので、今回はグッズだけ。でも、いずれお気に入りの一枚に出会ったら、原画をお迎えしたいと思える作家さんの一人です。こちらは会期は11月4日まで、おすすめです。

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