問題解決大全――ビジネスや人生のハードルを乗り越える37のツール
- 作者: 読書猿
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2017/11/19
- メディア: 単行本
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■問題解決大全のこと
読書猿氏の問題解決大全を拝読した。これは日々生じる問題を、認知し、解決し、その結果を検討していく古今東西の技術を、一つ一つ、その使い方、歴史、具体例を示す書籍である。例えば多くの人が知っているものだと、マインドマップである。真ん中にテーマがあって、カラフルにイラスト等を交えながら、放射状に関連事項が書かれていく、あれである。あんなような問題解決に役立つ手法が、この本では37個あげられている。その中から、私が実際に使ってみたかと思ったスキルを、だらだら紹介しようと思う。
●二ーバーの仕分けのこと
これは問題を細分化していき、それに可変度をつけ、可変度が高いものから優先的に手を付けていき、それが低いないしはゼロのものは、少なくとも当面は受け入れる、というものである。そもそもはプロテスタント神学者のラインホルド・二ーバー氏による、二ーバーの祈り( ニーバーの祈り - Wikipedia )を技法化したものだそうだ。
問題: | ブログの本記事の執筆 | |
問題の部分 | 可変度 (0~10) |
可変度の根拠 |
締切 | 2 | 毎週日曜日の投稿を謳っている以上、それは守りたい。とはいえ、仕事ではないので、それを過ぎるないしは投稿しなくとも、ペナルティはない。 |
分量 | 8 | 何ら約束はしていない。常識的に考えて、数文以上書いてあればよいのでは? |
テーマ | 5 | 変更可能。ただし、途中まで書いた労力を考えると、今回はこれでいきたい。 |
構成 | 8 | 自由。表やリンクを入れまくってしまえ。 |
クオリティ | 5 | 期待されていないが、自分の中でベストを出し切る気持ちは必要か。 |
具体的には、上表のような通りであろうか。というか、おおむね表を書く前から、実は今回も執筆の時間があまりなく、構成面でこういった手抜きをするつもりであったことは、秘密である。
●ロジックツリーのこと
問題に対して、診断ツリーではなぜそうなのか、解決ツリーではどうするのか、を樹形図で記していく。努力目標的にモレなく、ダブりなく、MECEが掲げられているが、決してロジカルではない、と筆者は言う。また因果がループする問題には使えないそうだが、あくまで簡便に問題を見直すためには、有効な手段なのではないか、と感じた。
診断ツリー | |||
なぜ私は | 月~金(平日)に執筆の時間がないから | 本業をしているから | 業務が多く残業もあるから |
毎週ブログの執筆が期限ギリギリ | 仕事をしないと生活できないから | ||
その他の趣味をしているから | ブログ執筆よりも簡易にリフレッシュできるから | ||
翌日の仕事に向けて、気分転換が必要だから | |||
執筆の時間をとっていないから | 疲れているから | ||
パソコンを持ち歩いていないから | |||
執筆することは苦労を伴うから | |||
テーマが思いつかないから | 紹介したい本を読んでいないから | そもそも本を読む時間もないから | |
面白い本に出会っていないから | |||
過去に書いてしまったから | |||
そもそも訴えたいことがないから | 訴えても社会は変わらないから | ||
モチベーションが低いから | やり始めて一年半もたちマンネリ化しているから | 大きな反響がないから | |
ブログを書かなくとも、人生には影響ないから | ブログはあくまで趣味の一つだから | ||
なのか? |
本来は樹形図にするのだが、今回、エクセルで表現しようとしたため、表になっているのはご容赦願いたい。またこれを書いてみて、 全然MECEじゃないし、そもそもこの手法では(問題が仕事(本業)による時間と体力の消耗等から分岐していたりと複雑になるので)手に負えないのではないか、という気がした。
とはいえ、なんとなく使ってみて私自身もイメージがつかめたし、次の解決ツリーでは、執筆の時間をとるため→PCを持ち歩く→PCの入る鞄を買う……、等と、解決法を考えていくこととなる。
●フランクリンの功罪表のこと
ベンジャミン・フランクリン( ベンジャミン・フランクリン - Wikipedia )が友人に心の代数として進めた方法だそうである。検討すべき事項の、メリット、デメリットを思いつく限り書き出し、その後両者を一つずつないしは同じ重みの分ずつ相殺していき、最終的に残った方を採用する、という手法である。
問題: | 締切前日深夜にブログの執筆をしているが寝るべきか。 | ||
そのメリット | そのデメリット | ||
①翌日、リフレッシュした状態で執筆を再開 | ④翌朝、寝過ごすと執筆ができない | ||
②夜更かしせずに寝ると健康に良い | ⑤課題が残っている中で寝ても落ち着いて寝られない | ||
③きちんと睡眠をとって翌日の他の予定にも好影響 |
検討事項として、この記事を土曜の深夜に執筆しており、翌、日曜日は午後から別の用事が入っており、日曜の午前中までが執筆のリミットとして、しかし、そのまま執筆を進めるか、夜は寝て、翌朝~午前中、入稿するかの検討を行った。
まず①と④が同じ重さである。寝過ごす危険性はあるが、夜中にだらだら続けるよりは、翌朝新たにスタートする方が、質的には良いものができる。また②と⑤も同じ重さで相殺していいだろう、漠然とした寝不足、不健康と、やることを残したまま寝る感情の乱れは、どっちもどっちだろう。故に③、睡眠が正しい時間に正しい分量なされることで、日曜の午後の予定に対する影響も考慮したうえで、私は眠る。
●100年ルールのこと
ということでいかがであったろう。今回問題を認知して、解決策を探求するところまでの手法から、いくつか内容を紹介した。同書ではこれから解決策を実行し結果を評価する手法も紹介されているし、また因果がループするような、より複雑な問題への対処についても触れられている。
最後に、本書の一つ目の手法は100年ルールという、問題の認知のやり方からスタートする。それは自分の抱えている問題が、100年後にまだ問題か、という思考実験をする、というもので、そのころになれば何の問題もなくなっているだろ、と余計な不安を減らす方法である。
恐らくこのブログの内容など、100年後には、というか公開直後から、誰にとっても問題視されないと考えるので、このあたりで切り上げるのである。さらば。
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