■存在理由〜Raison d'être〜 さだまさし コンサートツアー2020 @市川市文化会館 のこと
「存在理由 〜Raison d'être〜 さだまさし コンサートツアー2020」を、市川市文化会館にて、鑑賞してきた。2020年発表のアルバム「存在理由 〜Raison d'être〜」をテーマとしたコンサートである。
さださんは2020年初頭より広まった新型コロナウイルス感染症で大規模イベントが制限されて以来、9月よりコンサートを再開、川越・新潟に続いて、今回の市川が3会場目だそう。私自身も6月の東京国際フォーラムのチケットを購入していたが、12月1日に延期となり、仕事の都合で伺えない日だったので、払い戻しをして、諦めていたところ、幸運にもこの市川のチケットを購入できたという次第である。
- 入場時にはアルコール消毒。
- 半券は自分でもぎる。
- おでこを見せながら歩いていくと、画面に体温が表示(36.4℃)される、ハイテク体温計完備。
- 席は1席おきでキャパの半分のみ。
という中でのコンサートであった。
さださんのコンサートは今回で、日本武道館でのらくごカフェ10周年を入れれば、8度目の参戦。実は私は映画でもなんでも、2時間も集中力がもたないのだが、今回は尻上がりに入り込んでいく感じで楽しめた。コロナ明けで、コンサートがあること自体が嬉しかったことも、もちろんあるだろうし、おなじみのさださんのトーク(それでもコロナの影響で2時間で終わらなければいけないから控えめにするとのことであったが)も良かった。しかし、何よりもこのアルバム「存在理由〜Raison d'être〜」、名盤なのではと思う。
日にち | 会場 | 公演名 |
2015年 11月23日 |
森のホール21 (松戸市文化会館) |
風邪の軌跡 コンサートツアー2015 |
2016年 9月30日 |
東京国際フォーラム ホールA |
月の歌 |
2017年 9月11日 |
東京国際フォーラム ホールA |
恵百福 たくさんのしあわせ |
2018年 11月17日 |
市川市文化会館 | 45周年記念コンサート Reborn~生まれたてのさだまさし~ |
2019年 2月25日 |
日本武道館館 |
らくごカフェ10周年記念 |
2019年 12月5日 |
東京国際フォーラム ホールA |
新自分風土記 |
2019年 12月31日 |
両国国技館 | カウントダウンin国技館 |
2020年 |
存在理由〜Raison d'être〜 コンサートツアー2020 |
演奏された曲は記憶の限りだと下記の通りである。間違っているかも……。
◆さだまさしの名によるワルツ
澤和樹さん(東京藝術大学学長/バイオリニスト)が作曲した、SADAMASASHIを音階に置き換えた、アルバム冒頭の曲を出囃子として、出演者が入場する。
◆銀河鉄道の夜
アニメ映画「ジョバンニの島」主題歌。天の川の様なライティングが素敵であった。
◆存在理由~Raison d'etre~
◆心かさねて〜長崎の空から〜
◆まんまる
1985年発表「ADVANTAGE」収録曲。初めて聴いた。不思議なイントロで不思議な歌詞である。
◆交響楽(シンフォニー)
1975年発表のグレープのアルバム「せせらぎ」収録曲。また交響楽に関連して、編曲者の服部克久さんとのエピソードを披露。曲が書けないときに小夜曲を作曲してくれ、詞をつけるように言ってもらったこと、明日までに一曲作れと言われ、黄昏迄を出し、徹夜で編曲してもらったこと等。私は大好きな一曲である。”煙草をくわえたら貴方のことを思い出したから”という歌い出しが良く、本当に自分自身が出会い・別れた人々を想起し、懐かしさに浸ることのできる作品である。
◆メドレー(精霊流し〜無縁坂〜雨やどり〜秋桜〜案山子)
さださんは中学生時代から市川にお住まいであった。すべて市川で作った曲のメドレーと言って始めたが、演奏後、よく考えたら精霊流しは博多で書いたし、案山子の原型は中学時代に作ったメロディだけど、曲にしたのはいつだか思い出せないと仰っていた。
◆にゃんぱく宣言〜関白宣言
ACジャパンCM曲。デモテープがそのまま採用されたという秘話とともに、元となった関白宣言(1979年発表)とともに。(関白)失脚に行かずに、ちゃんと歌いきるのは珍しい、とのこと。
◆主人公
1978年発表「私花集」収録曲。デビュー40周年・ソロコンサート4,000回記念のオールタイムベスト「天晴」(2013年発表)の収録曲選定に際して行われたさだまさし国民投票で第一位であった曲。そういえば私にとってさださんのベスト曲は何だろうと思いながら聴いていて、パッと思いついたのはつゆのあとさきであった。好きな曲だけど、ちゃんと考えればもっと違う曲が思いつくかもしれない。
◆残したい花について
岩崎宏美さんの還暦に際して提供した曲とのこと。素敵な曲である。
◆漂流
照屋林賢さん(りんけんバンド)の作曲(こんな曲ができたとデータを送ってくるそうで、データのやり取りの中で練り上げた曲)だそうで、西洋楽器ばかりの編成でありながら、沖縄のゆるい、風を感じられる作品に感じる。心地よい。
◆柊の花
澤和樹さん(東京藝術大学学長/バイオリニスト)に弾いてもらうことを前提に作られたそうで、藤堂昌彦さんとさださんのバイオリンのぶつかり合いがかっこよい。
◆ひと粒の麦 ~Moment~
アフガニスタンで亡くなった医師の中村哲さんをモチーフとした作品。同じく医師の柴田紘一郎さんをモデルとした、さださんの代表曲である風に立つライオンにも似た、美しいメロディと語りかけるような歌い、とても綺麗な曲。
◆【ENCORE】夕凪
1976年「帰去来」収録曲。
メドレー等の、聞き馴染んださださんの定番曲であっても、倉田信雄さんのピアノが新鮮さを加え、あっという間の2時間であった。常々思うことであるが、いまの曲も良いが、何より20代の若かりしさださんが、今も定番となっている味わい深い名曲をこれだけ多く生み出しているということは、凄いことだと思う。またコンサートでは演じられなかったけれど、今回のアルバムにはもっとコミカルな曲も収録されており、改めてバラエティに富んだ良いアルバムだなあと、再認識させられるコンサートでもありました。
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