■温故知新のこと⑤「2016年1~3月の手帳より」
引き続きこのブログを始める以前の手帳を振り返っている。今回から2016年(の年始)へと遡ります。
●2016年1月のこと
1月1日(金):各所に年賀メール送信。
1月3日(日):御用始め。
1月4日(月):『楽語』(夢枕獏 他/文藝春秋)読了。獏→キョンキョンの「鬼背参り」がよい。
1月5日(火):同僚と錦糸町のとんかつくり家へ。
1月6日(水):『せどり男爵数奇譚』(梶山季之/筑摩書房)読了。盗書狂の話は『ビブリア古書堂の事件手帖』に通づるものがあり、面白い。
1月8日(金):歌舞伎「小春穏沖津白波/小狐礼三」鑑賞。華やかでハッピーエンドで、素晴らしい。
1月9日(土):千葉市美術館「開館20周年記念展 初期浮世絵展 版の力/筆の力」鑑賞。奥村政信、屋内を描いたときの奥行きがすごい。昔の劇場の様子が、真後ろに音曲がいたり、野外で人々は地面で見ていたりと、面白い。気になるワード=ぬれかみ長蔵、高安通い、酒呑童子、曽我物、鍾馗)。
1月13日(水):『ペンギン鉄道なくしもの係』(名取佐和子/幻冬舎)読了。やや話の進行が強引で作り物感がある。
1月14日(木):職場にてメンターとの面談(食事)。
1月16日(土):祖父の墓参り。
1月17日(日):国立演芸場「1月中席」鑑賞。ぴろき、北見伸&ステファニー、春雨や雷蔵「文七元結」がよい。京成杯は外れた。知人と食事。
1月18日(月):腹痛により仕事を休む。『市役所の小川さん哲学者になる/転身力』(小川仁志/海竜社)読了。参考になる部分はあるけれど……。
1月20日(水):『円朝の女』(松井今朝子/文藝春秋)読了。弟子の円心目線で語られる円朝と女の物語、どの短編も瑞々しく仕上がっている。
1月24日(日):運転免許証の更新。
1月27日(水):職場の同僚と食事。天丼をごちそうになる。
1月31日(日):知人と、BUNKAMURA ザ・ミュージアム「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」鑑賞。良かったのはエドワード・ジョン・ポインター。
●2016年2月のこと
2月4日(木):不安感に耐えきれず、仕事を休む。気分転換に、山種美術館「伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 -HAPPYな日本美術-」へ。山口華楊の「生」で描かれた仔牛がリアルで良いのだ。
2月6日(土):『ぼくがいま死について思うこと』(椎名誠/新潮社)読了。体験談や各国の葬送から死を考察している。ラストの孫を登園させるエピソードがよい。
2月8日(月)〜10日(水):不安感止まらず、仕事を休む。『五感で磨くコミュニケーション』(平本相武/日本経済新聞社)読了。ラポール・わたしメッセージ・アサーティブ・スモールトーク・ミラリング・ペーシング・バックトラッキング・モダリティの一致、等など。10日、ちばシティ乗馬クラブにて、ジャガー号騎乗。扶助の際に遅れてのけ反っているそうなので気をつける。歩路を伸ばしながらハミを受けるときに、ハミを許しすぎないように留意。
2月11日(木):映画「猫なんかよんでもこない」鑑賞。猫の演技がすごい。
2月15日(月):精神科通院。(2022年6月現在も通院している病院、多分これが初診)
2月22日(月):銚子へ日帰り出張。
2月23日(火):『聞く力』(阿川佐和子/文藝春秋)読了。安易に相手の気持ちがわかると言わない、等参考になった。
2月25日(木):『あなたを選んでくれるもの』(ミランダ・ジュライ/新潮社)読了。筆者が映画「ザ・フューチャー」脚本執筆に詰まった折に行ったペニーセイバー出品者に対するインタビューをまとめたドキュメント。映画として結実していく過程が面白い。
●2016年3月のこと
3月6日(日):国立演芸場「3月上席」鑑賞。初音家左吉「子ほめ」、入船亭扇辰「お血脈」とロケット団の漫才が良かった。『哲学の冒険』(内山節/平凡社)読了。哲学は正しい思想を提起するものではなく、自分の考えを述べるもの。
3月9日(水):江戸東京博物館「レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の挑戦」へ。試行錯誤を繰り返して実験し続けた、彼のようであらねばならない。船橋競馬場、ダイオライト記念へ。クリソライト(武豊)強し。
3月13日(日):国立演芸場「3月中席」鑑賞。桂竹もん「元犬」、春風亭小柳枝「抜雀」が良い。
3月15日(火):『臨床心理学』(青木紀久代編/新星出版社)読了。セラピスト自身の振り返り=スーパービジョン、ミラクル・クエスチョン(短期療法)等。
3月20日(日):映画「家族はつらいよ」鑑賞。舞台となる家の構造が良い。「東京家族」あるいは「東京物語」をうまくパロディして、コメディに仕立てている。
3月21日(月):フロンティアビレッジ乗馬牧場にて、チャーリー号、ボナンザ号、各20分騎乗。チャーリーは左手前の駈歩が出にくいというか、左回りで右手前の駈歩をやりだす。速歩の反動が柔らかい。セルフランセ。ボナンザ(ボナンザーオペラ)はハミを嫌がり、少し噛み癖がある。素軽い。拍車が刺さりっぱなしにならないよう、脚を前に向けるよう留意する。
3月25日(金):『闇の守り人』(上橋菜穂子/新潮社)読了。ナユグ→ナユーク。
3月26日(土):国立劇場「遊女夕霧/寺田屋お登勢」鑑賞。新派は初めて、照明の演出や録音のBGMが新鮮。近代的で共感しやすく、面白い。
3月28日(月):『夢の守り人』(上橋菜穂子/新潮社)読了。タンダやトロガイのように村に馴染めずに夢に生きる人々に共感を覚える。描写の絵面が浮かびにくいのが難点。
3月30日(水):『虚空の旅人』(上橋菜穂子/新潮社)読了。バルサが登場せずにチャグムが一人で活躍する旅人シリーズ。南国を舞台に王子タルサンや王女サルーナとの爽やかな友情が描かれる。良き。
●2016年1月〜3月のこと
この頃もまた病んでいる。私の職業人生を振り返るとその大半が病んでおり、何をしても向いていない、というよりその集団に馴染めていないことがわかる。今現在の職場・部署はどうなのだろう。馴染めている感触はまるでない。馴染めていないなりに働いている、としか言えない。いつ私が夢の側に行ってしまうか、多分行ってしまっても誰も止める人はいないわけで、行ってしまえと思う反面、誰か止めてくれると良いな、とも思うのである。