■2022年9月の徒然なること
先日はじめて、本八幡にあるRemocafeを利用しました。リモートワークでのWEB会議等にも使えるように、というカフェで、オープンスペースを普通のカフェのように利用できるのに加えて、時間制で席料のかかる半個室と個室(防音・鍵付き)があります。
写真は個室の模様。オンラインイベントの視聴に利用しました。質問等で発言の機会があるかも、と思って個室にしましたが結局そんな機会はなく……。ただ、周囲の人や新型コロナウイルス感染症のことをあまり気にせずに飲食してくつろぐことができ、席料もあまり高くないので、満足です。
食事も、コーラレモネードとお店のイチオシであったたまごサンドにスープとサラダを付けていただきましたが、大変美味しかったです。食事が大変安いので普通のカフェとして一人で利用するのにもオススメかと思います。そんな私の徒然なる日常を以下に紹介いたします。
●映画等のこと12.02「ONE PIECE FILM RED」
ONE PIECE FILM RED を拝見しました。
ONE PIECE についての知識=
ルフィ・ナミ・ゾロ・チョッパーはどれだかわかる。
ゴムゴムの実は聞いたことがある。以上。
という私が見ても、話はわかるし、良い話だった。本作の主役? いや、主役はルフィなのだけど、でも常にストーリーの中心にいるのはウタという女性。ものすごく歌がうまい、音楽の島で生まれ育ち、その島から出ずにオンライン配信みたいな形でファンを増やしている。彼女の歌が作り出す夢の世界にずっと留まり続けるのか、現実をきちんと見るのか、というのが本作のテーマで、このテーマ自体は長年使い古されたものだと思う。例えば「攻殻機動隊」や「アヴァロン」といった、多くの押井守作品で扱われていたり、ウォシャウスキー姉妹の「マトリックス」シリーズも。
楽しいけれど作り物の世界と、つらいけれどリアルの世界と、その対比の語り古されている物語を、 ONE PIECE のキャラや世界観でやったというのが本作で、だからこそ話自体はわかりやすく、誰にでも楽しめる。そこに彩りを添えるのがウタの歌唱シーンを担当した、人気の歌い手 Adoさん だ。顔出ししておらずオンライン配信から活動を始め、人気に火がついたのはウタの設定と同じ。
思春期のウタが、幼い頃を思いながら歌う「世界のつづき」(作詞・作曲:折坂悠太)は大変にエモく絶品。また封印された古の魔法の歌「Tot Musica」(作詞:cAnON.・作曲:澤野弘之)には Ado さんのパワーや暗さがギンギンに込められていて、良いのである。
ストーリー的には、シャンクスがかっこよい。 ONE PIECE 、漫画もアニメも触れてみたくなった。良作。
●能楽どうでしょう「能のことばを読んでみる会」&「能楽座談会」のこと
過日、お世話になっているシテ方金春流能楽師の柏崎真由子さんが、世田谷区 給田地区会館にて開催した「能楽座談会」にお伺いした。能楽のワークショップや講座、稽古体験はよく耳にするけれど、座談会という形で能楽についてフラットにお話ししようという会は、私の知る限りでは少なく、面白く参加した。
自己紹介の中でご参加者の能楽との出会いを伺ったり、代表的な能「羽衣」の謡体験があったりと、日ごろ能のお稽古をしたり観能をしたりと、能楽に親しんでいる方から、能楽にあまり触れておらずでも能楽について誰かのおしゃべりを聞いてみたいという方まで、様々な方が楽しめるプログラムであった。能楽チャンネル-Nohgaku Channel- - YouTube さんの中の人もいらしていた。お話の中で出た、今の日本人は観阿弥や世阿弥といった名前も知らない、ということが私にとっては結構衝撃である。観阿弥・世阿弥の名前は、もちろん教科書では出てくるけれど、確かに私だって教科書に出てきた言葉の隅々まで覚えているわけでは、到底ない。興味次第だ。
当日は世田谷区のコミュニティFMである エフエム世田谷83.4MHz さんの取材がいらしていて、柏崎さんのインタビュー等が10月7日(金)の放送で流れるそうである。楽しみ。
貴重なお話をありがとうございました!
— 塚田昌代(世田谷ラバーズ) (@masayo5) September 30, 2022
能楽の魅力は「宝探し」
宝探しとは「自分探し」
心に響きました。
10月7日(金)
エフエム世田谷「世田谷通信 世田谷情報セレクト」にて放送予定です。 https://t.co/ztAJpHKt50
そして同日の夜には、柏崎さんが所属するシテ方金春流能楽師3人によるユニットみ絲之會によるオンライン講座を受講。能楽漬けの一日であった。
12月24日(土)の公演に向け、能楽研究者の朝原広基さんを講師にお迎えして、上演される演目の台本をじっくり読む会。今回は狂言「鴈礫」と「長光」の詞章を読んだ。今後、10月21日(金)が能「自然居士」、12月11日(日)が能「紅葉狩」の予定である。
金春流若手ユニット「み絲之會」オンライン事前講座
- 能楽と郷土を知る会 (nohgaku-kyodo.com)
まずお話の中でも出てきたが、狂言の台本というのはあまり目にする機会がない。能の謡本は本屋さんでも購入することができるのだけれど、狂言については現在各狂言方能楽師のお家で使われている台本は公開されておらず、ごく少数、江戸時代の狂言方がまとめた台本が岩波文庫や各出版社の古典文学全集にまとめられている程度、であるからだ。今回も、そうした出版されている書籍によるものであったが、狂言の詞章をじっくり読み込むことは初めての経験で、大変勉強になった。
話の中で、能と比べてわかりやすいとされる狂言だけれど、きちんと台本を読めばかなりわからない言葉だらけ、それをわかったように感じさせるのは、演者の芸の力、という話が出た。まったくその通りで、能も狂言も古典文学とは異なり、ましてやお勉強ではない。あくまで役者の演技や囃子、能面や装束、そして謡が一体になっての能楽であり、それを楽しめればよい。わかるのではなく、何かを感じたり、楽しめればよいのだろうな、と思う。
み絲之會メンバーや朝原さんからの告知は、以下のとおりである。よろしければ。
第6回み絲之會公演:令和4年12月24日(土)
能「紅葉狩 紅葉ノ舞 群鬼ノ伝」村岡聖美
能「自然居士」林美佐
第3回能楽と郷土を知る会公演:令和4年11月22日(火)
番外曲「鼓の瀧」
能本作成:朝原広基[能楽研究者]
●令和4年9月の徒然なること
最近、色々疲れている。たくさんの人と知り合って、新しいことを始めて、作り上げていくのは楽しい。その一方で、社内で既存のものを続けている人、時に今まで継続してきたことを踏襲することに価値を感じている人と一緒に仕事をすることに、ものすごい息苦しさを感じることが多い。人との違いに、悩まされることが多い。価値観の多様性を互いに認め合うべきなのだけれど、限られたリソースをどこに割り振るのかという点では、衝突することもある。思うに、私は時折、正直者すぎるきらいがあると、自己分析をしている。