哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

おいしいはなし002 屯ちんの「東京豚骨ラーメン」のこと

■おいしいはなし002

 2023年3月13日から多くの施設などでマスクの着用有無が個人の判断に委ねられるようになる、らしい。新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、初の緊急事態宣言が発令されたのは三年前のことである。未知の自体に世界中が混乱し、日本政府はアベノマスク(安っぽい布マスク)を全国民に配布した。以来、マスクは我々の生活になくてはならなくなっていた。2月2日、衆議院予算委員会にて永岡桂子文部科学相が「マスクは、外すと家庭で決めた子どもは外しての参加になる」などと答弁したことが一つのきっかけとなり、5月に新型コロナウイルス感染症感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律での取り扱いが二類から五類に引き下げられる(予定)ことに先行して、マスク等一部の感染症対策が緩和されることになった。

 今朝もワイドショーのコメンテーターが、マスクは外すべきという論を展開し、番組出演者が同調していたけれど、強い違和感を覚える。五類引き下げに伴い、マスク着用が緩和されるのであればわかる。今回は卒業式という学校行事に世間が引っ張られた形で、まあ一生に一度の卒業式をマスク非着用で実施することに異論は唱えないけれど、世間一般までマスクの非着用を勧めるような論は、無責任なのではないか、というのが私の考えである。

●屯ちんの「東京豚骨ラーメン」のこと


屯ちんの東京豚骨ラーメン(東京都豊島区)

 閑話休題、母校のある池袋に行ってきた。北村明子が四年に渡って取り組んできた長期国際共同制作の舞台プロジェクト『Echoes of Calling 』の最終公演『Echoes of Calling– rainbow after–』を拝見するためである。
 舞台は大変迫力があり興味深かった。ウズベキスタン叙事詩語り部(バフシ)であるアフロル・バフシ・ホーシュワクトフ、アイルランドの伝統的な歌唱シャンノースの歌手ダイアン・キャノンらによる歌唱と、エチオピア出身のアイルランドのダンサー・振付師であるミンテ・ウォーデらによるダンスはどれも圧巻であった。

 午後1時の開演に先立ち、池袋で食事をとった。最近お友達に教えてもらった大沪邨のランチに行きたかったのだけれど、休止中らしい。残念。ということでラーメン店の屯ちん池袋西口店へ。私が大学生の頃(十二年前)、東口側の池袋本店しかなかった気がするのだけれど、いつの間にか西口に支店ができていた。
 本店にはそれこそ十二年以上行っていないので、本店と支店とで味が違うのかどうなのか定かではないが美味しい。豚骨ラーメンでしつこそうに見えて、案外食べやすい濃すぎない味で、あまり主張しすぎないのが良い。それ故に卓上のにんにく、辛子高菜、自家製ラー油で味変しながらたべると、そうした薬味の美味しさも際立つ。

 大学生時代、私は書店でアルバイトをしていて、朝からの大学の講義の後は週二で部活動、週三でアルバイトという生活であった。今思うと結構忙しい。大学で親しくなった友人となんとなくラーメン屋巡りをするようになり、その友人が見つけてきてくれたラーメン屋を色々と(池袋に限らず)回った。松戸のとみ田や兎に角、小岩(等)のラーメン二郎、新宿の凪……等など。
 連れて行ってもらった店の中で屯ちんは、彼よりも私がハマってよく通った。シンプルで主張が強くないので他の知り合いにも進めやすかったし、アルバイト先(の今はなきリブロ池袋パルコ店)からも比較的近かった。

 ラーメン屋巡りをしていた友人とは今だに連絡を取り合っていて、最近転職したらしい。他の多くの学友や当時のアルバイト仲間等の顔が思い浮かぶ。彼らとはほんの一年や二年親しくして過ぎ去っていったしまった(私は交友関係の維持を極端に苦手としている)。しかし忘れたわけではなく、きちんと私の記憶の中で彼らは存在し、まあ確かにそうした記憶に浮かぶ顔顔顔のどれもがマスクをつけていたらいやだなぁというコメンテーターの意見は、少しわかる。

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