哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

読書のこと の検索結果:

2020年8月の読書のこと「機巧のイヴ」

■機巧のイヴ(乾緑郎/新潮社)のこと 「乾緑郎の改変歴史時代SF《機巧のイヴ》三部作完結! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌」を読んで、この作品に興味を持った。読んでみて、大正解。少し前に今年はあまり面白い本に出会っていないと記したが、先日発売した『ビブリア古書堂の事件手帖II 〜扉子と空白の時〜(三上延/KADOKAWA)』と本書の二冊で十分、一夏で今年の読書事情が充実した。 機巧のイヴ(新潮文庫) 作者:乾緑郎 発売日: 2018/02/16 メディア: Kind…

2020年7月の読書のこと「レバノンから来た能楽師の妻」

■レバノンから来た能楽師の妻(梅若マドレーヌ/岩波書店)のこと まず、レバノンとはどこですか、という話であるが、下の通りである。 中東である。本書でも簡単に経緯が解説されているが、レバノンは政情不安定な国であるそうだ。フランス委任統治下にあったこともあり、首都ベイルートは東洋のパリとも呼ばれていたそうであるが、 同時に人種のるつぼとして様々な人種、宗教の人々が入り混じって暮らしていたそうである。そのような状況の中で、1975年~1990年のレバノン内戦を逃れるため、筆者は日本…

2020年7月の徒然なること

…最終日曜日の投稿を、読書のことにしている。今月も本についての記事を少し早めに書き終えたところで、一週前の今日の記事で何を書くか、悩んでしまった。さて、何を書こうか? ●戻りつつある日常 新型コロナウイルス感染症により緊急事態が宣言されていた2020年4〜5月、私は6月からほぼ3月以前と同様の形で、千葉県から都内の仕事場に通っている。もちろん移動時や職場内等でマスクは必須となったし、接客業であるため、諸々の対応を迫られはしたが、毎日勤めに出ているのは昔と変わらない。会社や学校の…

2020年6月の読書のこと「ヒットの設計図 ポケモンGOからトランプ現象まで」

■ヒットの設計図 ポケモンGOからトランプ現象まで(デレク・トンプソン/早川書房)のこと なぜヒットするのか、ということについて、目新しく、しかし、馴染みがあるものがいいよね、と言った趣旨で、様々なジャンルの事例を紹介しながら、説明してくれる書籍。 例えば レイモンド・ローウィ のMAYA(Most Advanced Yet Acceptable)について「「思い切ったデザインでありながら、すぐに理解できるような製品に人は惹きつけられる」ということだ。~この考え方は、それ以来…

2020年5月の読書のこと「エリック・ホッファー自伝 構想された真実」

■エリック・ホッファー自伝 構想された真実(エリック・ホッファー/作品社)のこと 以下は平成32年5月、R大学11号館地下講堂において行われた講演の音声を 書き起こしたものである。なお、その際に講演者が用意したスライドは、上の動画の通りである。 エリック・ホッファーは、1902年に生まれ、83年まで活動した、アメリカの独学の社会学者です。彼が港湾労働者として働きながら、本の執筆をつづけたことから、沖仲士の哲学者、とも呼ばれています。 沖仲仕(士)(おきなかせ、おきなかし、ステ…

2019年の読書のこと

■2019年に読んだ本ベスト5 昨年同様、2019年に私が読んだ本(出版年問わず・再読含む)を対象書籍とし、その中からベスト5を上げて感想を述べていくこととする。 ●第5位:『猫がいなけりゃ息もできない』(村山由佳/ホーム社) 猫がいなけりゃ息もできない 作者:村山 由佳 出版社/メーカー: ホーム社 発売日: 2018/10/26 メディア: 単行本 小説家の村山由佳さんが、死別した愛猫もみじのことについて綴った作品。私は高校生の頃に村山さんの『天使の卵』を読んで衝撃を受け…

本を買うこと

■2019年、ブログを進化させます JR幕張駅 年も変わったので、当ブログ『哲学講義』をバージョンアップすることにした。 具体的には、カテゴリ名を変更した。そう、それだけである。それだけであるが、急にひっそり変えるのも何なので、ここに私がどういう意図で、カテゴリ分けをしているかを書いておく。矢印の前は変更前のカテゴリ名、コロンの後の様な内容で、分類して、閲覧や検索に役立てたい。 食物→【おいしいはなし】:食べ物に関する記事 【おいしいはなし】 カテゴリーの記事一覧 - 哲学講…

2018年の読書のこと

●2018年に読んだ本ベスト5 なぜ人間はベスト5に心地よさを感じるのであろう。 例えば、なぜベスト6ではいけないのであろうか。あるいはベスト9ではいけないのだろうか。これは人間が片手で数えることができるのが、5つまでだからではないだろうか。あるいは、ベスト10の半分だからではないだろうか。しかし、待て、それならばベスト10の方に私は強い心地よさを感じる。これはおそらく10進法を当然と考える人間の文化的帰結であり、そしてそもそも、人間が10進法を採用したのは、人間の指が片手に…