■ ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー のこと
Rojiura Curry SAMURAI.原宿店(東京都渋谷区)
二〇二三年は体調不良に悩まされた年であった。二月に発熱、PCR検査陰性。七月にも発熱、PCR検査陽性(新型コロナウイルス感染症罹患)、十二月初旬微熱と咳で耳鼻咽喉科にて風邪との診断、そして十二月末、また風邪を引いている。熱は三七度六分前後。倦怠感、喉の痛み、やや咳が出る、鼻水と痰がからむ。
そんなわけで臥せっていてやることがないというか、なにかやる元気もない。十二月初旬の風邪のときはアニメ版の「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」(第五部)を一気見していたのだけれど、その時より症状が重く今回は連続アニメを見る元気もない。仕方ないので最近アマプラで観られるようになった「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を観た。
マリオとルイージはブルックリンの配管工で、いわば普通の人間という設定。働き始めた会社をすぐに辞めて、独立してしまい周囲から呆れられているし仕事も失敗続き。そんな折に大規模な水漏れのニュースを観た二人は、ブルックリンの地下に潜る。そこで不思議な土管に吸い込まれて、キノピオやクッパたちのいる世界に行ってしまう、というのが始まり。
クッパは世界征服をしたいなどもあるようだけど、一番はピーチ姫への片思いで動いており、ドンキーコングは嫌な面もあるけれど、父親に対するコンプレックスをマリオと分かり合ったりして、良いコンビになる。ピーチはマリオやルイージのように人間世界からやってきたような描写があるけれど、どんな物語を経てやってきたのか、興味深い。
キノピオやノコノコ、カロン、ヘイホー、カメック、キラー、ボム兵、パックンフラワー、クランキーコング、ディディーコングら子どもの頃にゲームの中で観たキャラクターたちが、ブルックリンから土管一つ隔てて動いているというのが、なんとも面白い。
ヨッシーの活躍がほぼないのが残念。ネコマリオやマメキノコなどは比較的最近のマリオで登場したアイテムなので、ちょっと不思議な感じがするのである。キノピオたちの世界と人間世界、そしてそれらに普遍的に存在する感情(家族の情や愛情等)をうまく織り込んで、明るく仕上げており、とても良い仕上がりであった。