哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

読書のこと の検索結果:

2024年2月の読書のこと「ハリー・ポッターと賢者の石」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」

■ 「ハリー・ポッターと賢者の石」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(J・K・ローリング、松岡佑子 / Pottermore Publishing)のこと 馬事公苑(東京都世田谷区) 年末年始、体調を崩して時間があったこともあり、ハリー・ポッターシリーズの映画(ハリポタ八作品(七巻分の内、七巻のみパート一・二に別れている)、ファンタビ三作品)を一気観した。それはそれで楽しかったのだけれど、映画化の常として原作小説からカットされているシーンが…

2024年1月の読書のこと「遥かなる水の音」

■ 遥かなる水の音(村山由佳 / 集英社)のこと Cafe FIVE(千葉県千葉市) 年末年始に風邪を引いて、以来咳が続いており、かかりつけ医に相談したところ、リフヌアという咳止め薬を処方された。確かに咳は止まったのだけれど、副作用で味が感じにくくなるというものがあり、現在、食べ物の味がよくわからない(とても薄味に感じる)。この話はまた改めて書かねばと思っている。 ● 読んだこと 本書はフランス・パリに生活する久遠周(くどうあまね)の死をきっかけに、彼の遺言に従い遺灰を巻くべ…

2023年12月の読書のこと「諏訪式。」

■ 諏訪式。(小倉美惠子/亜紀書房)のこと 千鹿頭 CHIKATO 大小島真木 調布×架ける×アート(東京都調布市) 2024年1月14日(日)まで調布市文化会館たづくりにて開催中の「千鹿頭 CHIKATO 大小島真木 調布×架ける×アート」を拝見して、長野県の諏訪という土地に興味を持っていたところへ、『諏訪式。』(小倉美惠子/亜紀書房)と出会い、早速拝読したので、以下に感想を記す。 諏訪式。 作者:小倉美惠子 亜紀書房 Amazon ■ 読んだこと 諏訪とはどこにあるか。長…

2023年11月の読書のこと「アンのゆりかご 村岡花子の生涯」

■ アンのゆりかご 村岡花子の生涯(村岡恵理/新潮社)のこと cafe Five・ロータスカフェ(いずれも、千葉県千葉市) 久しぶりの読書感想文である。相変わらず、本が読めない。といっても『ビブリア古書堂の事件手帖』の五浦大輔のように体質的に本が読めないわけではなくて、単純に本を読む余裕がないだけである。一昨年までは年間四十冊くらいは読んでいたのだけれど、昨年は二十冊、今年は十一月までで九冊である。なんとなく、物足りなく感じる。 アンのゆりかご―村岡花子の生涯 (新潮文庫) …

2023年8月の読書のこと「海は地下室に眠る」

■海は地下室に眠る(清水裕貴/角川書店)のこと 閉業した成功舎クリーニング店(千葉県千葉市)閉じたシャッターが能舞台の松のようで格好良い 『海は地下室に眠る』(清水裕貴/角川書店)と出会ったのは、先日千葉市美術館に行った折に、ミュージアムショップであるBATIKA(バチカ)にて著者サイン入り本が販売されていたためである。寡聞にして、著者のことも本書のことも存じ上げなかったが、主人公の松本ひかりが千葉市美術館の学芸員で、おはなしの題材も美術館近くの「蓮池」の地が舞台とのことで興…

2023年7月の読書のこと「信仰」

■信仰(村田沙耶香/文藝春秋)のこと cafe Five(千葉県千葉市) 久しぶりに読書記録を書くことができる。実は本を読み終えること自体が、久しぶりであった。三月頃から本業の激務にかまけて、本を読む(読み終える)ことができていなかった。新型コロナウイルス感染症にかかって、少し仕事から離れたことで、本に触れる時間を作ることができた。病気になってよかったことである。 信仰 (文春e-book) 作者:村田 沙耶香 文藝春秋 Amazon ●読んだこと 本書は表題作の「信仰」をは…

2023年3月の読書のこと「すばらしい暗闇世界」

■すばらしい暗闇世界(椎名誠/新潮社)のこと LOTUSCAFE(千葉県千葉市) 2023年1月28日(土)に神楽坂のかもめブックスで本書『すばらしい暗闇世界』(椎名誠/新潮社)が平積みされているのを見つけて手に取ったけれど、そのあとに用事があったので結局購入はしないままになってしまった。翌月の2月20日(月)に、月末に撤退してしまう津田沼パルコに行った折、B館4階のACADEMIAくまざわ書店にて本書を見つけて、津田沼パルコでの最後の買い物として購入した。本書の感想を以下に…

節分のこと

…( 2022年7月の読書のこと )とかこれ( 『能・狂言の誕生』のこと )で方相氏について触れていて、結局よくわからないでいる。しかし日本の伝統文化や古来からの芸能を理解するために、重要なキーワードなのだろうな、というところで引き続き関心を持って調べていきたいところ。 なお昨今の節分の風習に「恵方巻き」があり、これは節分の夜に恵方を向いて太巻きを丸かじりで無言で食すると願いが叶う、というもの。願いが叶うかどうかはともかく、風習としては近年、関西地方の企業のマーケティングが発祥…

2023年1月の徒然なること

…例年恒例の「●●年の読書のこと」と題した前年読んだ本の総括を昨年分は出せていない。理由は、読んでいないからである。2022年に私が読んだ本の冊数は21冊である。決して少なくはないけれど、例年の私からすると半分くらいである。読書は心のリフレッシュのため、知識のインプットのため、大変有益であるので、必ず昨年よりも機会を増やすように、これは2023年の私に厳命する。 2023年について、そんなとりとめのないことを考えている。 ■ちょっと関連 philosophie.hatenabl…

2023年1月の読書のこと「日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」

■日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ(森下典子/新潮社)のこと LAITIER(東京都渋谷区) 映画「日日是好日」(主演:黒木華)が公開されたのは2018年のことである。本作はその映画の原作となったエッセイで、映画では黒木華が演じた典子こと、森下典子による作品。元は2002年に飛鳥新社から発刊されたものを、新潮社が2008年に文庫化している。 描かれているのは1956年生まれ、神奈川県横浜市出身の著者が20歳の頃から25年習い続けたお茶の教室のことなので、197…

2022年12月の読書のこと「おゝポポイ! その日々へ還らむ」

■おゝポポイ! その日々へ還らむ(執行草舟/PHP研究所)のこと cafe Five(千葉県千葉市) 著者の執行草舟(祐輔)は1950年東京生まれの著述家であり、実業家。中学・高校生時代より三島由紀夫と文学論を交わす。立教大学法学部卒業後、大正海上火災、三崎船舶工業に勤務。その後、菌食・酵素食品を扱う会社、バイオテックを設立。美術の収集・展示活動にも取り組み、戸嶋靖昌記念館を設立。 本書はそのような著者の半生をライター・編集者の樋渡優子が聞き書きした『歴史通』(ワック)の連載…

2022年9月の読書のこと「家族のあしあと」

■家族のあしあと(椎名誠(装画=沢野ひとし)/集英社)のこと 彼岸花(千葉県千葉市) 椎名誠の私小説や自伝的なエッセイには、一つのエピソードが複数の作品に重複して描かれることが多々ある。本書は『幕張少年マサイ族』(椎名誠(イラスト=沢野ひとし)/東京新聞)とやや重複する箇所がある。埋立工事がストライキでストップした際に、小学生時代のシーナ少年と友人たちで、勝手にトロッコを動かした話もその一つである。 シーナはそれだけたくさんの、私小説・自伝的エッセイを手掛けている、ともいえる…

2022年8月の読書のこと「わたしはコンシェルジュ」

■わたしはコンシェルジュ(阿部佳/講談社)のこと 【閉業】蓮池ホテル(長野県下高井郡山ノ内町) 皆さんはホテルコンシェルジュという仕事をご存知だろうか。ホテルにフロントなどの受付とは別個に独自の窓口を有していて、お客様からのあれやこれやのご要望やご質問にお応えする役割のことである。私は本書『わたしはコンシェルジュ』(阿部佳/講談社)を読むまで、ホテルコンシェルジュの仕事が如何なるものなのか、きちんと知らなかった。今回は本書を通して、その仕事内容や活躍ぶりの一端を紹介したい。 …

むすびの会20周年記念事業「祈りの表現」@銕仙会能楽研修所 のこと

■むすびの会20周年記念事業「祈りの表現」@銕仙会能楽研修所 のこと www.musubinokai.org 銕仙会能楽研修所にて令和4年8月10日(水)に開催された、むすびの会20周年記念事業「祈りの表現」(人間国宝によるお話と実演)を拝見したので、感想を記す。銕仙会能楽研修所は表参道駅より程近い、お洒落なアパレルやカフェの立ち並ぶ都会のど真ん中にある、コンクリート打ちっぱなしの建物に能舞台が入っている不思議な空間。見所(客席)は基本的には椅子がなく、座布団を敷いて座る。 …

2022年7月の読書のこと「平家物語 犬王の巻」

■平家物語 犬王の巻(古川日出男/河出書房新社) この記事は Lotus cafe のアイスカフェラテを飲みながら書きました。 映画「犬王」を拝見して、前々回、前回と感想を記した。今回はその原作に当たる古川日出男『平家物語 犬王の巻』の感想を書こうと思ふ。 ※ ネタバレを含みます。 劇場アニメーション『犬王』 平家物語 犬王の巻 (河出文庫) 作者:古川日出男 河出書房新社 Amazon ●読んだこと さて、本作の特徴は何と言ってもその、細切れな文章である。作中何度か「この物…

2022年6月の読書のこと「しししし4 特集 中原中也」

■しししし4 特集 中原中也(双子のライオン堂)のこと ものすごく色々な所で訴えているのだけれど、本を読む暇がない。私は片道1時間かけて自宅のある千葉県から都内の職場に通っていて、これまではその一日2時間の通勤時間は格好の読書時間だったのだけれど、このところ(今年の2月頃から)降ってくる仕事の量が増えており、しかも段々と職場のリモートワークのシステムが整ってき(てしまっ)たことで、職場のノートPCを持ち帰って作業することができるようになっ(てしまっ)たため、ついつい通勤電車内…

2022年5月の読書のこと「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」

■モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語(内田洋子/文藝春秋)のこと 北イタリアの山の中にある小さな村「モンテレッジォ」は代々、本の行商で生活していたそう。そんな土地を著者が取材した作品。私自身一箱古本市に出るなど、本を持って移動し販売する大変さは体験しているので、興味津々。出てくる村の人々は良い人ばかりで、ワクワクしながら読んだ。 モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 (文春文庫 う 30-3) 作者:内田 洋子 文藝春秋 Amazon ●読んだこと 本書の物語は…

2022年4月の読書のこと「能から紐解く日本史」

■能から紐解く日本史(大倉源次郎/扶桑社)のこと 矢来能楽堂(東京都新宿区) 人間国宝(重要無形文化財各個認定保持者)の大倉源次郎(小鼓方大倉流能楽師)による『能から紐解く日本史』(扶桑社)を拝読した。能楽がどんな歴史の中で生まれてきた芸能か、そして、能楽がその演目の中でいかなる歴史を語り継いできたのか、を探る作品。 ※ そもそも能楽における人間国宝がどのような存在かであるけれど、「2人以上の者が一体となって芸能を高度に体現している場合や2人以上の者が共通の特色を有する工芸技…

2022年3月の読書のこと「マンガでわかる もしかしてアスペルガー!?」

■マンガでわかる もしかしてアスペルガー!? 〜大人の発達障害と向き合う~(司馬理英子/主婦の友社)のこと アスペルガー症候群とは、ADHD(注意欠陥多動性障害)やLD(学習障害)と同じく発達障害の一種で、社会性やコミュニケーションに問題を抱えるASD(自閉症スペクトラム障害)に含まれる障害である。 本書では漫画を通してアスペルガー症候群の特徴やそうした人と接するときに気をつけることについて紹介している。 マンガでわかる もしかしてアスペルガー!? ~大人の発達障害と向き合う…

2022年2月の読書のこと「球道恋々」

■球道恋々(木内昇/新潮社)のこと cafe five(千葉県千葉市) 木内昇作品はどれも好きで、江戸という失われゆく時代を思う『漂砂のうたう』や様々な視点で新撰組を描いた『地虫鳴く』等が印象的。何となくどれも物語に影が落ちるような印象がある。 そんな中で本作もどこかしんみりとはさせられる作品(登場人物の死や、そもそも日露戦争と第二次世界大戦の狭間の、日本国内が落着いていた時代の物語であるため、その後の歴史を思わざるを得ないの)だが、それ以上に爽やかさ、熱さが前に出た物語で、…

2022年1月の読書のこと「新聞記者、本屋になる」

■新聞記者、本屋になる(落合博/光文社)のこと 人間関係(東京都渋谷区) 東京・田原町の書店、Readin’ Writin’ BOOK STORE 店主の落合博さんの著作を読む。本好きではあったが特に読書家ではなく、本屋をやる気もなかった新聞記者がいかに本屋になったのか、その経緯が丁寧に描かれていて、一気に読んでしまった。まず動いてしまうことが大切、といったことが述べられている。 新聞記者、本屋になる (光文社新書) 作者:落合 博 光文社 Amazon ●読んだこと そもそ…

2021年の読書のこと

…「2021年10月の読書のこと」にも記した。 ヒンバ族であるビンティ(少数民族の若い黒人女性)は、同じ地球人であるクーシュ族(多数派の白人)と異星人であるメデュース(タコ型宇宙人)との争いに巻き込まれる他、(男性の長老がリーダーである)ヒンバ評議会とも戦うことになり、またそのヒンバ族は、砂漠民であるエンイ・ズィナリヤ族(先住民族)を野蛮人として見下している(そう、ヒンバ族はクーシュ族に見下されているだけではなく、見下しもするし、若い女性であるビンティに対して伝統的な生き方を押…

2021年12月の読書のこと「幕張少年マサイ族」

■幕張少年マサイ族(椎名誠(イラスト=沢野ひとし)/東京新聞)のこと 作家の椎名誠のことを、私は中学生くらいの頃(今から20年程前)からずっと好きである。出会ったきっかけは馬であった。書籍でも何度か、モンゴルで遊牧生活をされている方のことを書かれていて、確かそうした旅の様子がテレビ放映されていたのではないか、と記憶している……。いずれにせよ、私の中高時代、多感な時期に影響を与えて、その後今に至るまで大切にしている作家は、同氏と村山由佳で、どちらも馬に乗る方である。 さて、そん…

2021年11月の読書のこと「渋谷で読書会」

■渋谷で読書会(渋谷のラジオ FM87.6MHz/金曜日9:00-10:00)のこと 双子のライオン堂書店(港区) 東京・赤坂にある双子のライオン堂書店、店主の竹田信弥さんが毎週金曜日になさっているラジオ番組「渋谷で読書会」。ゲストをお招きして本や本屋にまつわるお話をされる他、「本や本屋に関する曲」や「ゲストのリクエスト曲」等のコーナーもなさっている。渋谷区のコミュニティFMであるため、いわゆるラジオでの聴取は近隣地域に限られるが、「渋谷のラジオ」の公式WEBページにてネット…

2021年10月の読書のこと「ビンティ 調和師の旅立ち」

■ビンティ 調和師の旅立ち(ンネディ・オコラフォー(月岡小穂=訳)/早川書房)のこと 「【今週はこれを読め! SF編】アフリカの大地から、異種族が葛藤する宇宙へ | ニコニコニュース」にて紹介されていて、読み始めた作品。 ビンティ ー調和師の旅立ちー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:ンネディ オコラフォー 早川書房 Amazon 主人公のビンティは地球に住むヒンバ族の少女である。ヒンバ族の女性は赤土や植物の油等から作られるオティーゼを顔や肌に塗り、髪もドレッドヘアに塗…

2021年9月の徒然なること

■2021年9月の読書のこと「華より幽へ 観世榮夫自伝」 ●「華より幽へ 観世榮夫自伝」(観世榮夫・北川登園/白水社)のこと 観世榮夫は七世観世銕之丞雅雪の次男として1927年8月3日に誕生。兄は観世寿夫、弟は八世銕之亟静雪、現在の銕之丞暁夫は甥にあたる。観世流の分家というエリートの血筋でありながら、その修行のメソッド(身体の鍛え方)に疑問を抱き、1949年、後藤得三の芸養子となって喜多流へ移籍し、喜多六平太、喜多実に師事。さらに1958年には能楽協会を離脱し、現代演劇やオペ…

2021年8月の読書のこと「上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!」

■上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!(上野千鶴子・田房永子/大和書房)のこと 平成31年度東京大学学部入学式祝辞で有名な上野千鶴子(1948年生)に、漫画家の田房永子(1978年生)が質問しつつ、フェミニズムの周辺について語り合う本。 正直なところ私自身はフェミニズムに対して、苦手意識があった。それはフェミニズムを主張する女性たちが非常に強い存在に思われて、怖いとさえ思ってしまうから。それと同時にフェミニズムを主張する男性に対しては、胡散臭い、偽善、という…

2021年7月の読書のこと「行った気になる世界遺産」

■行った気になる世界遺産(鈴木亮平/ワニブックス)のこと 千葉県千葉市 はじめに、「この旅行記はフィクションです」と記されている通り、実在する世界遺産を、俳優の鈴木亮平さんが妄想して旅行したもの。雑誌「プラスアクト」の連載を2020年9月に刊行したものであるため、連載開始当初はそういった意図はなかったのだと思うが、刊行された時点では、「おわりに」で鈴木さんご自身が記されている通り、新型コロナウイルス感染症により海外旅行はおろか、国内での外出でさえ憚られるご時世に。時代に合った…

2021年6月の読書のこと「カフェから時代は創られる」

■カフェから時代は創られる(飯田美樹/クルミド出版)のこと cafe tento(千葉市)/Janat(渋谷区)/cafe Five(千葉市)/イノダコーヒ(京都市) 本書はカフェ文化研究家、パブリック・ライフ研究家の飯田美樹さんによる、1900年代初頭のパリのカフェに集った天才たちの物語。2008年にいなほ書房から限定部数で刊行された『caféから時代は創られる』だが、その後希少な存在となっており、2020年にクルミド出版が増補改訂版として刊行したものである。 ●カフェから…

2021年5月の読書のこと「ワールド・カフェから始める地域コミュニティづくり」

■ワールド・カフェから始める地域コミュニティづくり:実践ガイド( 香取一昭・大川恒/学芸出版社)のこと ワールド・カフェをご存じだろうか。カフェのようなリラックスした雰囲気の中で話し合う方法の一つで、これを使えば大人数での話し合いもまとめることができる。本書ではこの手法を通して、地域での21世紀型コミュニティ作りを行うことについて述べられている。 21世紀型コミュニティとは「目的や興味を共有し帰属意識を持って参加」「自由意志で参加でき複数のコミュニティへの参加も可能」「組織を…