哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

読書のこと の検索結果:

2021年11月の読書のこと「渋谷で読書会」

■渋谷で読書会(渋谷のラジオ FM87.6MHz/金曜日9:00-10:00)のこと 双子のライオン堂書店(港区) 東京・赤坂にある双子のライオン堂書店、店主の竹田信弥さんが毎週金曜日になさっているラジオ番組「渋谷で読書会」。ゲストをお招きして本や本屋にまつわるお話をされる他、「本や本屋に関する曲」や「ゲストのリクエスト曲」等のコーナーもなさっている。渋谷区のコミュニティFMであるため、いわゆるラジオでの聴取は近隣地域に限られるが、「渋谷のラジオ」の公式WEBページにてネット…

2021年10月の読書のこと「ビンティ 調和師の旅立ち」

■ビンティ 調和師の旅立ち(ンネディ・オコラフォー(月岡小穂=訳)/早川書房)のこと 「【今週はこれを読め! SF編】アフリカの大地から、異種族が葛藤する宇宙へ | ニコニコニュース」にて紹介されていて、読み始めた作品。 ビンティ ー調和師の旅立ちー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:ンネディ オコラフォー 早川書房 Amazon 主人公のビンティは地球に住むヒンバ族の少女である。ヒンバ族の女性は赤土や植物の油等から作られるオティーゼを顔や肌に塗り、髪もドレッドヘアに塗…

2021年9月の徒然なること

■2021年9月の読書のこと「華より幽へ 観世榮夫自伝」 ●「華より幽へ 観世榮夫自伝」(観世榮夫・北川登園/白水社)のこと 観世榮夫は七世観世銕之丞雅雪の次男として1927年8月3日に誕生。兄は観世寿夫、弟は八世銕之亟静雪、現在の銕之丞暁夫は甥にあたる。観世流の分家というエリートの血筋でありながら、その修行のメソッド(身体の鍛え方)に疑問を抱き、1949年、後藤得三の芸養子となって喜多流へ移籍し、喜多六平太、喜多実に師事。さらに1958年には能楽協会を離脱し、現代演劇やオペ…

2021年8月の読書のこと「上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!」

■上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!(上野千鶴子・田房永子/大和書房)のこと 平成31年度東京大学学部入学式祝辞で有名な上野千鶴子(1948年生)に、漫画家の田房永子(1978年生)が質問しつつ、フェミニズムの周辺について語り合う本。 正直なところ私自身はフェミニズムに対して、苦手意識があった。それはフェミニズムを主張する女性たちが非常に強い存在に思われて、怖いとさえ思ってしまうから。それと同時にフェミニズムを主張する男性に対しては、胡散臭い、偽善、という…

2021年7月の読書のこと「行った気になる世界遺産」

■行った気になる世界遺産(鈴木亮平/ワニブックス)のこと 千葉県千葉市 はじめに、「この旅行記はフィクションです」と記されている通り、実在する世界遺産を、俳優の鈴木亮平さんが妄想して旅行したもの。雑誌「プラスアクト」の連載を2020年9月に刊行したものであるため、連載開始当初はそういった意図はなかったのだと思うが、刊行された時点では、「おわりに」で鈴木さんご自身が記されている通り、新型コロナウイルス感染症により海外旅行はおろか、国内での外出でさえ憚られるご時世に。時代に合った…

2021年6月の読書のこと「カフェから時代は創られる」

■カフェから時代は創られる(飯田美樹/クルミド出版)のこと cafe tento(千葉市)/Janat(渋谷区)/cafe Five(千葉市)/イノダコーヒ(京都市) 本書はカフェ文化研究家、パブリック・ライフ研究家の飯田美樹さんによる、1900年代初頭のパリのカフェに集った天才たちの物語。2008年にいなほ書房から限定部数で刊行された『caféから時代は創られる』だが、その後希少な存在となっており、2020年にクルミド出版が増補改訂版として刊行したものである。 ●カフェから…

2021年5月の読書のこと「ワールド・カフェから始める地域コミュニティづくり」

■ワールド・カフェから始める地域コミュニティづくり:実践ガイド( 香取一昭・大川恒/学芸出版社)のこと ワールド・カフェをご存じだろうか。カフェのようなリラックスした雰囲気の中で話し合う方法の一つで、これを使えば大人数での話し合いもまとめることができる。本書ではこの手法を通して、地域での21世紀型コミュニティ作りを行うことについて述べられている。 21世紀型コミュニティとは「目的や興味を共有し帰属意識を持って参加」「自由意志で参加でき複数のコミュニティへの参加も可能」「組織を…

2021年4月の読書のこと「王の庭師」

■王の庭師(ナディア・アーレンベルク(著)久利生杏奈(訳)/紅龍堂書店)のこと 本八幡屋上古本市 『王の庭師(原題:Der Gärtner des Königs)』の版元であり、また翻訳を担当された紅龍堂書店の久利生杏奈さんと初めてお目にかかったのは、2021年3月20日(土)本八幡屋上古本市に仇櫻堂として出店した際のことである。いや、お目にかかった際はクリュードーなる屋号のオンラインの某かの書店で、ということを聞きとるのがやっとであった。後日、ご丁寧にTwitterを通して…

2021年3月の読書のこと「三体Ⅱ 黒暗森林」

■三体Ⅱ 黒暗森林(劉慈欣/早川書房)のこと ●黒暗森林のこと さて、中国発のSF大作である『三体』の第二巻をようやく読了した。前回、第一巻を読了後に、地元の図書館に予約を入れたため、半年以上順番待ちをした、ということになる。しかし、相変わらずのスケールの大きさや読者を引きつける内容等、それだけ待たされても納得の、素晴らしい作品である。 前作において、汪淼(ワンミャオ)というナノマテリアル研究者が主人公(の一人)であり、三体というVRゲームから、次第に三体文明の存在や、彼らと…

2021年2月の読書のこと「アメリカン・ブッダ」

■アメリカン・ブッダ(柴田勝家/早川書房)のこと 大河ドラマ「麒麟がくる」で柴田勝家役の安藤政信はイケメンすぎるきらいがあり。もう少しこう、太くて豪快そうな、そうそうこれこれ、というまさに柴田勝家なビジュアルなのが本書の著者である柴田勝家。気になるなら、画像検索をしてみるとよろしい。私も『ヒト夜の永い夢』がWebで紹介されているのを読んで、あれ、これ武将の名前じゃ……、と思ったものであるが、調べてみたらただの武将だった。 読書をしていると不思議に読んだ本がリンクすることがある…

2021年1月の読書のこと「南方熊楠と宮沢賢治 日本的スピリチュアリティの系譜」

■南方熊楠と宮沢賢治 日本的スピリチュアリティの系譜(鎌田東二/平凡社)のこと 2019年1月敷島書房にて 著者の鎌田東二のことは、国立能楽堂の公演プログラムである、『月刊国立能楽堂令和2年11月号』で知った。能について語りつつ、哲学者のニーチェを登場させたりと、視野の広い面白い人であると感じ、この度、その先生が私自身興味のある熊楠・賢治を並べて論じているということで、本書に挑戦した次第である。 南方熊楠と宮沢賢治 日本的スピリチュアリティの系譜 (平凡社新書) 作者:鎌田 …

2020年の読書のこと

…「2020年10月の読書のこと」にも記した。 カナダ人である僕(ジェレミー・マーサー)は犯罪記者をしていたが、友人のことを本に書いたことで脅され、身の危険を感じてフランス・パリに逃亡する。フランス語教室やホテルでの節約生活の後、路銀が尽きて英語書籍専門の書店である、シェイクスピアアンドカンパニー書店で数カ月間生活することになる。店主のジョージに好かれ、公私の相談に乗る友人となる。詩人のサイモン、映像好きのカート、70歳近く年上のジョージに求婚されるイヴ、僕と付き合うナディア、…

2020年12月の徒然なること

…たのを止め、”○月の読書のこと”を毎月、”○月の徒然なること”をほぼ毎月投稿、とパターンを設けて、そこに不定期で”絵画等のこと(美術鑑賞等)”、”映画等のこと(映画鑑賞等)”、”敷設のこと(パラレルキャリア等)”の連載や、冠を付けない、能楽鑑賞の記録等を入れていくと、なんとなくまとまりとひろがりのバランスが良くなったように、自分では思っている。 末筆になりましたが、2020年も当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。2021年も変わらず、彷徨いながら週に一度日曜日…

2020年12月の読書のこと「心の傷を癒すということ 神戸365日」

gaga.ne.jp NHK総合にて2020年1月に放送されたドラマ「心の傷を癒すということ」、劇場版が2021年1月29日に公開されるとのこと。本項では同作の原案となった書籍につき、以下の通り印象に残った文章を引用しながら、感想を述べる。 ■心の傷を癒すということ(安克昌/作品社)のこと 心の傷を癒すということ―神戸…365日 作者:安 克昌 メディア: 単行本 ――“よかったけど、もうしわけない”――これは私自身の実感でもあった。家が倒壊をまぬがれて、ほっとした思いととも…

2020年11月の読書のこと「首里の馬」

■首里の馬(高山羽根子/新潮社)のこと 首里の馬(高山羽根子/新潮社) 第163回芥川龍之介賞受賞作『首里の馬』を読了したので、感想を記す。 私自身、あまり芥川賞受賞作に触れる機会が少ない。今、Wikipediaで受賞作の一覧を見返してみると、私が挑戦した記憶があるのは、安部公房『壁 S・カルマ氏の犯罪』、町田康『きれぎれ』、円城塔『道化師の蝶』、又吉直樹『火花』の4作品のみであり、『火花』については途中で諦めた覚えがあり、他の3冊については、どんな作品だかまったく思い出せず…

敷設のこと③「贅沢な読書会 第四十六回」村山由佳×瀧井朝世

■「贅沢な読書会 第四十六回」村山由佳×瀧井朝世のこと 有楽町の三省堂で求めたサイン入りの『風よあらしよ』 「贅沢な読書会 第四十六回」村山由佳×瀧井朝世課題図書の作家ご本人をお招きする「贅沢な読書会」。 第四十六回のゲストは『風よ あらしよ』 著者の村山由佳さん! ========================================== ▼詳細・ご予約はこちらから▼ http:// https://passmarket.yahoo.co.jp/event/sho…

2020年10月の読書のこと「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々」

■シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々(ジェレミー・マーサー/河出書房新社)のこと この間、双子のライオン堂さんに行ったときに出会った同書を読了したので、感想を述べる。 シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々 (河出文庫) 作者:マーサー,ジェレミー 発売日: 2020/04/07 メディア: 文庫 ●そもそもシェイクスピア&カンパニー書店とは そもそもシェイクスピア&カンパニー書店とは、フランス・パリにある、英語書籍専門の書店である。 初代シェイクスピア&カンパニ…

2020年9月の読書のこと「三体」

■三体(劉慈欣/早川書房)のこと 話題のSF小説『三体』であるが、友人がInstagramでおすすめしているのを見て地元の千葉市図書館に予約を入れたところ、半年ほどで順番が回ってきたので、感想を記す。 三体 作者:劉 慈欣 発売日: 2019/07/04 メディア: Kindle版 ●『三体』概要 物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基…

2020年8月の読書のこと「機巧のイヴ」

■機巧のイヴ(乾緑郎/新潮社)のこと 「乾緑郎の改変歴史時代SF《機巧のイヴ》三部作完結! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌」を読んで、この作品に興味を持った。読んでみて、大正解。少し前に今年はあまり面白い本に出会っていないと記したが、先日発売した『ビブリア古書堂の事件手帖II 〜扉子と空白の時〜(三上延/KADOKAWA)』と本書の二冊で十分、一夏で今年の読書事情が充実した。 機巧のイヴ(新潮文庫) 作者:乾緑郎 発売日: 2018/02/16 メディア: Kind…

2020年7月の読書のこと「レバノンから来た能楽師の妻」

■レバノンから来た能楽師の妻(梅若マドレーヌ/岩波書店)のこと まず、レバノンとはどこですか、という話であるが、下の通りである。 中東である。本書でも簡単に経緯が解説されているが、レバノンは政情不安定な国であるそうだ。フランス委任統治下にあったこともあり、首都ベイルートは東洋のパリとも呼ばれていたそうであるが、 同時に人種のるつぼとして様々な人種、宗教の人々が入り混じって暮らしていたそうである。そのような状況の中で、1975年~1990年のレバノン内戦を逃れるため、筆者は日本…

2020年7月の徒然なること

…最終日曜日の投稿を、読書のことにしている。今月も本についての記事を少し早めに書き終えたところで、一週前の今日の記事で何を書くか、悩んでしまった。さて、何を書こうか? ●戻りつつある日常 新型コロナウイルス感染症により緊急事態が宣言されていた2020年4〜5月、私は6月からほぼ3月以前と同様の形で、千葉県から都内の仕事場に通っている。もちろん移動時や職場内等でマスクは必須となったし、接客業であるため、諸々の対応を迫られはしたが、毎日勤めに出ているのは昔と変わらない。会社や学校の…

2020年6月の読書のこと「ヒットの設計図 ポケモンGOからトランプ現象まで」

■ヒットの設計図 ポケモンGOからトランプ現象まで(デレク・トンプソン/早川書房)のこと なぜヒットするのか、ということについて、目新しく、しかし、馴染みがあるものがいいよね、と言った趣旨で、様々なジャンルの事例を紹介しながら、説明してくれる書籍。 例えば レイモンド・ローウィ のMAYA(Most Advanced Yet Acceptable)について「「思い切ったデザインでありながら、すぐに理解できるような製品に人は惹きつけられる」ということだ。~この考え方は、それ以来…

2020年5月の読書のこと「エリック・ホッファー自伝 構想された真実」

■エリック・ホッファー自伝 構想された真実(エリック・ホッファー/作品社)のこと 以下は平成32年5月、R大学11号館地下講堂において行われた講演の音声を 書き起こしたものである。なお、その際に講演者が用意したスライドは、上の動画の通りである。 エリック・ホッファーは、1902年に生まれ、83年まで活動した、アメリカの独学の社会学者です。彼が港湾労働者として働きながら、本の執筆をつづけたことから、沖仲士の哲学者、とも呼ばれています。 沖仲仕(士)(おきなかせ、おきなかし、ステ…

2019年の読書のこと

■2019年に読んだ本ベスト5 昨年同様、2019年に私が読んだ本(出版年問わず・再読含む)を対象書籍とし、その中からベスト5を上げて感想を述べていくこととする。 ●第5位:『猫がいなけりゃ息もできない』(村山由佳/ホーム社) 猫がいなけりゃ息もできない 作者:村山 由佳 出版社/メーカー: ホーム社 発売日: 2018/10/26 メディア: 単行本 小説家の村山由佳さんが、死別した愛猫もみじのことについて綴った作品。私は高校生の頃に村山さんの『天使の卵』を読んで衝撃を受け…

本を買うこと

■2019年、ブログを進化させます JR幕張駅 年も変わったので、当ブログ『哲学講義』をバージョンアップすることにした。 具体的には、カテゴリ名を変更した。そう、それだけである。それだけであるが、急にひっそり変えるのも何なので、ここに私がどういう意図で、カテゴリ分けをしているかを書いておく。矢印の前は変更前のカテゴリ名、コロンの後の様な内容で、分類して、閲覧や検索に役立てたい。 食物→【おいしいはなし】:食べ物に関する記事 【おいしいはなし】 カテゴリーの記事一覧 - 哲学講…

2018年の読書のこと

●2018年に読んだ本ベスト5 なぜ人間はベスト5に心地よさを感じるのであろう。 例えば、なぜベスト6ではいけないのであろうか。あるいはベスト9ではいけないのだろうか。これは人間が片手で数えることができるのが、5つまでだからではないだろうか。あるいは、ベスト10の半分だからではないだろうか。しかし、待て、それならばベスト10の方に私は強い心地よさを感じる。これはおそらく10進法を当然と考える人間の文化的帰結であり、そしてそもそも、人間が10進法を採用したのは、人間の指が片手に…