哲学講義

幸せになるために

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

最近見たもののこと

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  1. 私は美術館巡りが好きです。正確には美術館を眺めている自分が好きです。
  2. 私が最近見た、美術館の展示について書きます。
  3. すでに終了している展示もあります。ごめんなさい。 

 

生誕125年記念速水御舟 展 @山種美術館 のこと

 前にも書いたかもしれないが、私が御舟に出会ったのは、東京藝術大学美術館の香り~かぐわしき名宝~展において、「夜梅」を拝見して、それは香りに纏わる絵画や、当然香炉とか香木みたいなそのものずばりのものや、そういうのを展示している会だったのだけれど、その暗闇に浮かぶ梅の木がひときわ匂いを放って感じられて、ああいいなあと思った、というものである。今、調べてみたら2011年なので、8年前である。

 以来、機会があればできるだけ、彼の作品は見るようにしている。特に山種美術館は、御舟美術館と呼ばれるほど、彼の作品が充実しており、しばしば彼に纏わる展示を行うので、良いのだ。

 速水御舟1894年生、本名蒔田栄一。松本楓湖、今村紫紅に師事し、赤曜会結成。1930年に渡欧、よりいっそう写実を目指す。40歳にて夭逝。山種美術館を創立した、山崎種二とは一つ違いだが、面識はない、とのこと。

 あるときから写実を非常に重視していたそうで、それも形ではなくて、本性みたいな、気みたいなものを写し取ろうとしていたのが面白い。また仲間との研究会でも、御舟は作るのはうまいが、写すのは下手、という評価だったそうで、意外に思う。彼の描いた風景や、果物、草花はとても上手に、目の前に生きているように感じるのだけれど。また、本当の美は本当の醜を知らないとわからない、等とも言っていた模様で、彼の言葉は色々勉強になる。

www.yamatane-museum.jp

www.geidai.ac.jp

 

日本の素朴絵-ゆるい、かわいい、たのしい美術- 展 @三井記念美術館 のこと

 へたうまと形容されるような、落書きのような印象の絵を集めた展示。気になっていて行くか迷っていたのだが、知人が招待券をくれたので、ありがたく使わせていただいた。

 勝絵絵巻は勝負事の様子を描いた作品。陽物比べというのがあり、やはり昔の方がそういったユーモアが奔放で良いなあと思う。同じ絵巻の放屁合戦、そして、神農化物退治絵巻では放屁で化物を倒すなど、昔の人もおなら好きなんだなあ。

 また、クタヘ(クタベ、件)というものを初めて知った。顔が人間で体は獣である。間が抜けていて、かわゆい。

 こうした素朴絵は二通りあり、庶民(本職の絵師以外)が描いたので素朴になったものと、本職の絵師があえて素朴な表現を狙ったものとある。そうだよね、現代でもあえてユルい絵を描く人もいるもんね。

www.artagenda.jp

 

■みんなのミュシャミュシャからマンガへ―線の魔術) 展 @Bunkamuraザ・ミュージアム のこと

 ミュシャには、苦い思い出がある。以前、六本木の森美術館で彼の展示があった際、めちゃくちゃ混んでおり待たされたあげく、中もごちゃごちゃしており、全く落ち着いて鑑賞できなかった。以来、森美術館をできるだけ避けて、ミュシャからも距離を置いてきた。

 今回も盛況であったが、そんなに展示が見れないほどではなく、ゆっくり鑑賞することができた。この辺りは展示の経路の作り方であったり、誘導の仕方なのだろうなあ、と思う。Bunkamuraはそういうの良いと思う。あまり窮屈な思いをしたことがない。あと、今回紹介している、山種美術館三井記念美術館千葉市美術館はどれもよい。なんというか配置の仕方が、無理していないのだと思う。

 それはともかく、ミュシャである。チェコモラヴィアよりパリに渡ったとのこと。得意な素描を生かして、挿絵の仕事に取り組み始めたのが、1889年頃から。線画は出版に向いたそうで、なるほど、と思う。確かに濃淡の表現よりも、線の表現は印刷が単純であろう。その後、出世作となるジスモンダ(舞台)のポスターを、休みのポスター画家の代理として描く。こういった点からも時流に乗ること、訪れたチャンスを逃さないことが大事なのだなあ、と、とみに思う。

 日本には留学生が持ち帰り、1900年代初めにごく一瞬、文芸誌の表紙で流行したそうだが、その後ミュシャの名前は忘れられる。しかし少女画にそのエッセンスは残り、現代の少女漫画等へも影響しているとのこと。最後の展示室ではそういった、漫画を作者の言葉とともに、展示していた。

 あと、この展示、一部屋まるまる、フォトスペースとなっているのだが、はっきり、観る人が前、撮影する人は後方から、という表示になっているのが、分かりやすくてよかった。全体通して、楽しめる展示でした。ミュシャは今秋、千葉市美術館でも展示があるそうなので、目が離せないところである。

www.bunkamura.co.jp

www.ccma-net.jp

 

■ 没後60年北大路魯山人~古典復興現代陶芸をひらく~ 展 @千葉市美術館 のこと

  北大路魯山人とその周辺の作品を集めた会。正直、陶芸、立体物は楽しみ方がよく分からないのだが、結構はではでなのもあり、これに食事をのせるのかあ、と感じたりもする。

 魯山人が、当時の部下で、後に人間国宝となる荒川豊蔵の手柄を我が物にしようとした話が紹介しており、残念に思う。人間的にはその他も従業員とのトラブルや金銭関連などあったそうで、芸術家はままならぬものであると思う。

www.ccma-net.jp

 

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以上!