哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

映画等のこと⑮2022年10月~2023年3月までの連ドラたち

■映画等のこと⑮2022年10月~2023年3月までの連ドラたち

トモキッチン(東京都渋谷区)


 最近(2022年10月~2023年3月頃に放送終了した作品)もたくさんの連続ドラマを見た。

 視聴したのは、「鎌倉殿の13人」(NHK・主演:小栗旬)「探偵ロマンス」(NHK・主演:濱田岳)「舞いあがれ!」(NHK・主演:福原遥)「アトムの童」(TBS・主演:山崎賢人)「ファーストペンギン!」(TBS・主演:菜緒)「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日・主演:岡田将生)「相棒 season21」(テレビ朝日・主演:水谷豊)「警視庁アウトサイダー」(テレビ朝日・主演:西島秀俊)「6秒間の軌跡〜花火師・望月星太郎の憂鬱」(テレビ朝日・主演:高橋一生)「エルピスー希望、あるいは災いー」(フジテレビ・主演:長澤まさみ)「女神の教室~リーガル青春白書~」(フジテレビ・主演:北川景子)。

 以上の中から印象深い作品を紹介していく。

●「探偵ロマンス」(NHK・主演:濱田岳

 江戸川乱歩(本名:平井太郎)は本格派推理小説等で著名な作家であるが、実際に日本最古の探偵事務所「岩井三郎事務所」に勤務していたことがある、とのこと。本作はそんな若かりし頃の乱歩・平井太郎濱田岳)と彼に影響を与えた元警官である探偵・白井三郎(草刈正雄)が、怪人二十面相を思わせる敵に挑むお話。

 舞台となる大正時代の街並みの雰囲気が非常に素晴らしい。演出を手掛けた安達もじりが鷲田清一(哲学者)の息子ということに驚愕した。他の作品に「心の傷を癒すということ」(2020、NHK・主演:柄本佑)や「カムカムエヴリバディ」(2021-2022、NHK・主演:上白石萌音深津絵里川栄李奈)。脚本は坪田文

●「警視庁アウトサイダー」(テレビ朝日・主演:西島秀俊

 警視庁組織犯罪対策部で捜査情報のリークを疑われて、桜町中央署刑事課に左遷された架川英児(西島秀俊)、別人になりすまして刑事課のエースとして勤務している蓮見光輔(濱田岳)、そして警視庁副総監の娘で本当は事務職希望の水木直央(上白石萌歌)。そんな脛に傷持つ三人がチームとして巨悪に挑むという筋立て。破天荒だけど架川は良い上司である。

 「民王」(2015年、テレビ朝日・主演:菅田将暉)「99.9-刑事専門弁護士-」(2016年、TBS・主演:松本潤)「シェフは名探偵」(2021年、テレビ東京・主演:西島秀俊)等の木村ひさしによる演出、私は大好き。きちんとしたストーリーの中にテンポよく小ネタを挟んでくすぐってくる。本作では架川の「はぐれ刑事純情派」好きや、蓮見・水木との缶コーヒーの趣味の違い、水木の元演劇部ということを押し出した捜査の様子等。こうした笑いは、各キャラクターへの関心、愛着を高めてくれるので、とても良い。

●「6秒間の軌跡〜花火師・望月星太郎の憂鬱」(テレビ朝日・主演:高橋一生

 脚本の橋部敦子の過去作品では「僕らは奇跡でできている」(2018年、カンテレ/フジテレビ系・主演:高橋一生)が印象深い。

 本作では二人暮らしの父(橋爪功)を亡くした花火師・望月星太郎(高橋一生)を描く。登場する父が幽霊なのか、星太郎の妄想なのか、というところが序盤より気になる点であり、その点に関する終盤の答えの出し方が、乱暴なのだけれど面白く思う。

 主人公星太郎の良くないところに私はいたく共感し通しだった。住み込みの弟子・水森ひかり(本田翼)も含め三人の空気感がとても良い作品である。

●「舞いあがれ!」(NHK・主演:福原遥

 私的朝ドランキングを以下の通りに更新する。

 おかえりモネ→エール→あさが来た→わろてんか→べっぴんさん→とと姉ちゃん舞いあがれ!ひよっこ→ちむどんどん→なつぞら→カムカムエブリバディ→まんぷく→スカーレット→半分、青い。→おちょやん

 福原遥演じる主人公・岩倉舞は東大阪の町工場の出身。子供のころ身体が弱くて祖母の住む長崎県五島列島で過ごしたり、大学の人力飛行機サークルで空を飛ぶ楽しさに目覚めてパイロットを目指したりする。
 結局彼女は、父親から引き継いだ「航空機の部品を作る」そして自身の「航空機のパイロットになる」という二つの夢を、刈谷高杉真宙)らの空飛ぶ車という形で実現する。
 終盤、夢物語が過ぎる感と、夫・貴司がパリから帰ってこれなくなる等の新型コロナウイルス感染症の描写が同時代人の視聴者だからこそ理解できる雑なものにとどめられている点とが、気になったけれど、それでもハッピーエンドであることと、町工場を繋げて新規事業をというテーマとは、私の好みに合った。

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