哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

おいしいラーメンのこと

■おいしいラーメンの食べ方

  私の好きな料理の一つにラーメンがある。ラーメンとは、

(中国語)》中国風の麺 (めん) 。小麦粉に塩・梘水 (かんすい)などを加えて練り、細長く引き伸ばしたもの。また、それをゆでて醤油味などのスープを入れ、焼き豚メンマなどの具を加えたもの。中華そば。( 拉麺/老麺(ラーメン)の意味 - goo国語辞書 )

 である。私がラーメンを好きになった経緯であるが、もちろん元々ラーメンは美味しいと思っていたのだが、大学時代に友人が言い出して、週に一回程度のペースで各所のラーメン屋さんを訪ねる、というイベントを一年程度続けたことにより、色々なラーメン屋さんを知ってしまったことにより、ラーメンを好きな料理として、名乗らざるを得ない状況になっていたのである。

 というわけで、今回は美味しいラーメン屋さんを紹介したい。これまで食べたラーメンの中で、美味しい店ベスト10を紹介できればいいのだが、何年も前に食べたラーメンの味と、最近食べたラーメンの味とを比べて、どう、という判断もできないし、ラーメン屋さんの側も日々、味が変わっている可能性があるので、今回は今年(2019年)に入ってからの8か月に限定して、訪れたラーメン屋さんのランキングをつくろうと思う。それ故に、私が好きな有楽町の朧月や、松戸のとみ田や、池袋の十六といったつけ麺で有名な店は、この中に入っていない。というか、この8か月にそこまでグッとくるつけ麺を食べておらず(あ、黒須でクラムソースのぶっ飛んだつけ麺は食べたか……)、これはという店を写真フォルダから拾っていったら、ラーメンと油そばしかなかった。ともかく、その結果のランキングが以下の通りであるので、是非気になったお店に足を運んでいただければ嬉しいと思う。

 

●第八位:翠松楼

f:id:crescendo-bulk78:20190831234721j:plain

tabelog.com

 別にはずれ馬券の紹介をしたいわけではない。これは中山競馬場の中に入っているお店なのである。いや、そんな店、本当に美味いんか、という疑念はあろうが、美味いのである。

 私が以前勤めていた会社が銀座にあったのだけれど、会社の近くに老舗の中華屋さんがあり、そこは結構な人気店で昼時になると行列ができるほどであった。タンメンやかた焼きそば等のメニューと並んで、私が好きだったのがチャーシューワンタンメンである。今は転職してしまって、銀座に行ってわざわざ、並んでいる中華屋さんに行く、という元気もないので、パッタリ行かなくなってしまったのだが、そこのチャーシューワンタンメンの味が忘れられず、もっと身近にそういったチャーシューワンタンメンを食べられる場所がないかと、懸命に探した。ないのである。そもそもチャーシューワンタンメンとは何なのか。提供している店が少ないのである。チャーシューメンを出している店と、ワンタンメンを出している店は多いので、それを二つ頼んで混ぜて食べれば、それでいいのだが、ともかく、チャーシューワンタンメンというメニューを掲げている店が少ないのである。そして同じチャーシューワンタンメンと言っても、そのスープの味は各店、多様であり、なかなかこれは、という店に出会えずにいた。そんな中で、私が好きだったチャーシューワンタンメンの味に近く、手頃に来訪できる場所で見つけたのが、この翠松楼である。

 GⅠ開催時には長蛇の列ができることもあるが、安心したまえ、比較的スムーズに列が流れるし、混んでいると(というか、大抵の競馬開催日は)立ち食いになるが、食べるスペースはいくらでも確保できるので、是非、中山競馬場にご来場の際は、ご賞味あれ。

 

●第七位:真鯛らーめん麺魚

f:id:crescendo-bulk78:20190831234631j:plain

tabelog.com

 錦糸町にある、魚味のラーメン屋さんである。独立した店舗が元々あり、ずっと気になりながら、常に長蛇の列ができており、それに並ぶ気力が湧かなかったので、どんなものか、食べられずにいた。その名店が、今年オープンした錦糸町のPARCOのフードコート内に、出店していたので、ようやく味わうことができた。もちろん、本店よりは味が劣るのだろうと思うが、それでも私には十分に美味しく感じられたし、何より今まで食べたことのない方向性の味であったので、大変感心した。

 見ての通り、ご飯といっしょに注文することを勧めており、私はその誘惑に屈した。味は魚の出汁が非常に出ており、魚の鍋を食べているような感覚である。最後にご飯を雑炊にして食すのも、美味である。私の祖母の家では以前、猫を飼っており、その子は常に口から魚のかほりを漂わせていた。このラーメンを食べると、口臭が彼とおそろいになる気がする。

 

●第六位:八咫烏

f:id:crescendo-bulk78:20190831235053j:plain

tabelog.com

 九段下、神保町、水道橋界隈に、何故かこうした美しいあっさり系のラーメン屋さんが乱立しているらしい。そんなことをInstagramを眺めていて知り、足を運んでみると、なるほど美味しいのである。この八咫烏や、神保町黒須、源九、最近行けていないのだが勝本、それにこれから訪ねてみたいのはきんいろ、である。何故か日曜日が定休の店が多く、なかなか私の都合がつかない……。

 こういうラーメンを見ると、ラーメンは美しい食べ物だと思う。この美しさを感じられる感性を大切にしたいと思ふ。

 

●第五位:らーめん鴨to葱

f:id:crescendo-bulk78:20190901092017j:plain

tabelog.com

 上野(というか御徒町の方が近い)に、鈴本演芸場という寄席がある。定席のある寄席として、一般にこの鈴本に加え、新宿末広亭浅草演芸ホール池袋演芸場、そして国立演芸場の五つが上げられる。国立はやや特殊であるが、原則的に各寄席では、毎月1日~10日を上席、11日~20日を中席、21日~30日を下席として、さらにそれを昼夜に分けて帯公演を行っている。ちなみに31日は余一会として、特別な興行を行う。今年の鈴本演芸場7月中席夜の部は、キリン・ザ・ストロングのCMでおなじみの柳家喬太郎師をトリ(主任)に据えた、蔵出し喬太郎作品集~引き出しの奥のネタ帳という公演であった。それを風邪気味ながら拝見しに行く前に、景気づけに(30分程度行列に並んで)頂戴したのがこのラーメンである。

  めちゃくちゃ、素材にこだわっている。セットで頼んだミニ親子丼も美味であった。ちなみに乗っかっている葱は、三種類から二種類を選ぶので、お好みの葱でいただける。シンプルだけれど、全ての素材が厳選され、凝縮されたラーメンである。

 

●第四位:風来居

f:id:crescendo-bulk78:20190831234806j:plain

tabelog.com

  渋谷駅からBunkamuraに向かい、左の方に逸れたあたりにある。山頭火系のしおらーめんが美味しい。というか、もはや山頭火より美味しい気がする。今はなくなってしまったが、私の住む千葉市にも、大学のあった池袋にも山頭火があり、何度か足を運んでいたのだが、味は美味しいのに、接客がいまいちであった記憶がある。だからなくなってしまったのかもしれない。風来居は渋谷店しかいったことがないが、美味しいし接客も丁寧である。

 

●第三位:兎に角

f:id:crescendo-bulk78:20190831235135j:plain

tabelog.com

 兎に角、美味しい油そばと言えばこちらである。油そばは、兎に角、油とタレがダイレクトに麺と混ざっているので、うわー兎に角しつこそう、というご意見も兎に角あろうが、さほどしつこくなく頂戴できる店も兎に角多い。とくにこの兎に角は、兎に角優しい味わいである。またこの店の特徴として、油そばを兎に角適度に食べ終えたタイミングで、兎に角スープをもらって、それを兎に角丼に流しいれて、兎に角ラーメンとして、兎に角味を変えていただくことができる。このスープが魚介の旨味が兎に角しみ込んだもので、兎に角一杯で二度おいしい趣向である。兎に角一度行ってみてほしい。

 

●第二位:栄昇らーめん

f:id:crescendo-bulk78:20190831234926j:plain

tabelog.com

 京成津田沼ってなんだ? という疑問は鋭い。ほら、総武線津田沼から10分くらい歩いたところにある京成電鉄の駅だよ、というと、大抵の人はわからない。いや、普通わかるでしょと思ったあなたは、多分千葉県民か、総武線ないしは京成電鉄ユーザーであろう。

 ともあれ、そんな千葉県の片隅に、シンプルだけれど絶品のラーメンを出す店がある。私が好きなのはあごだしのラーメンである。煮干や節骨、曜日によって鶏白湯など、色々ある。メンマの筍感がすごい。総武線津田沼駅新京成電鉄新津田沼駅の間に支店ができたけれど、段違いに本店の方が美味しい。


●第一位:神保町黒須

f:id:crescendo-bulk78:20190831234832j:plain

tabelog.com

  Instagramで見つけて、先日、初めて行ってきた。15分程度の行列の末店内にはいると、普通のラーメン以外に、期間限定のメニューが充実している。その限定があまりにもリッチな雰囲気を醸し出しており、普段は初来店時は定番を選ぶことが多いのだけれど、限定を選ぶ。軍鶏出汁のラーメンは非常に繊細でお上品な、けれどラーメンの枠組みの中に存在するものだと思うけれど、付け合わせにトリュフとポルチーニ茸が含まれている。この限定メニュー、1,200円であるが、はっきり言ってその価値は値段以上である。ちなみにその後、数日前に訪れた際もやはり限定を選んでしまい、その時は浅利の冷製つけ麺を頼んだつもりが、めちゃくちゃ美味しいクラムソースのスープパスタみたいなものが出てきた。凄い、ラーメンというジャンルにとらわれず、想像を越えたものが出てくる。凄い。