哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

2023年2月の徒然なること

■2023年2月の徒然なること


カフェ・タピロス(東京都港区)

 2月も三分の二が過ぎたのだけれど、仕事以外大したことをしていない。なぜならば臥せっていたからであり、それ以降も体調が今一つなので、活動を控えめにしているからである。そんなわけななので、最近の出来事を思いつくままに書いていく。

能楽どうでしょう2.02「2023年2月5日(日)能楽プリズム @六本木ストライプハウスギャラリー」のこと

 昨年に引き続いて、六本木ストライプハウスギャラリーにて開催された小鼓方 観世流 能楽師の岡本はる奈さんによる、フランス語と日本語の二か国語での能楽のイベントにお邪魔した。フランス人アーティストのマリージョゼ・メドゥビエルの作品とともに、能楽の実演と解説を楽しむことのできるイベントである。

 前回は謡や舞を担当するシテ方一名と小鼓方の岡本さんの二人の出演だったので、実演もお二人による一調(謡+打楽器一種類)のみであったけれど、今回はシテ方三名に笛(平野史夏さん)・大鼓(森山泰幸さん)も加わり、一調「放下僧」に加えて、謡と演奏付きで能の見どころを実演する舞囃子「班女」の上演などボリューム感が増した。個人的には一つ一つの楽器について解説を聞けたことが勉強になった。小鼓の皮は持ちがよく、大鼓は頻繁に取り換える必要がある(小鼓は湿気がないとそれらしい音が鳴らないので、上演中も息を吹きかけたりと湿らせながら演奏するのに対して、大鼓は出番の一、二時間前から火鉢で焙じて皮を乾燥させて硬い音を出させる故にすぐに破れてしまう)ということは聞いたことがあったのだけれど、大鼓が十回程度の使用で皮が駄目になるのに対して、小鼓は百年とはいかずとも数十年は同じ皮を使い続けられるそうで、岡本さんも師匠の師匠から受け継いだそれを使っているとか。笛の平野さんからはご自身の藤田流が名古屋を本拠としており尾張徳川家とつながりが深いことや、笛(能管)は一管ずつ調が違うため合奏できないことなどお話があった。

 配布されたプログラムには能楽について、大鼓・小鼓について、班女と放下僧のあらすじと放下僧で披露される小歌などが日本語とフランス語の二か国語で掲載されている。これは結構な労力ではないかと思うのだけれど、私はフランス語が全く分からないので、どうだか知らない。こうした外国人向けのイベントを能楽師個人が行っている例は少なく思うので、今後も継続・発展していくとよいなと思う。

●2023年2月のおすすめ品のこと

 最近、ネットショップを利用することが多くなった。これは単純に、実店舗に行っている暇がないためである。それもこれまでネットショッピングというと最大手であるアマゾン、という認識であったが、最近は各お店がやっている販売サイトを使うようにしている。なんとなくその方が日本国内のお店に利益が回っているような気がする(実際は知らない)からであり、また自分好みのこだわりの品を探すことができるからだ。ところで……

 みんなも、定期購読している「金春月報」の収納について悩んだこと、あるよねえ? 金春安明先生の演目解説など資料として保存しておきたい記事もたくさんあるから、捨てるに捨てらない、一冊一冊が薄手なのできちんと管理しないとどこかに紛れてなくなりそう、そんな時は、これ!
 信誠堂オリジナル・マガジンファイル(雑誌ホルダー)!! 上下についたピンで雑誌を固定するから、大切な雑誌に穴をあけずにファイリングできるんだ。みんなもチェックしてみてね!

●2023年2月の徒然なること

 六本木に行った折は、カフェ・タピロスさんにお邪魔している。具だくさんのカレーとセットで出してくださった珈琲がコスタリカの豆を使ったもので、ドライフルーツのような風味との説明、確かにフルーティでかつ飲みやすい美味しい珈琲であった。さすが、六本木で一番おいしいコーヒーを謳うお店である。
 伺えばコスタリカの豆がどれもそうなのではなく、高級品のみがこのドライフルーツのような風味が出る製法としているそうで、ハニーなんちゃらと書いてある豆であればそう、とのこと。調べてみるとハニープロセスという収穫したコーヒーチェリーの果肉だけを取り除き、粘液質(ミューシレージ)を残したまま乾燥させる精製方法のこと、らしい……。よくわからんが、おいしいからいいのだ。

 そんな今月、一番のニュースは福永祐一騎手が現役引退、調教師となることである。名手・福永洋一騎手の息子として世間の注目が高い中で1996年にデビュー、1999年プリモディーネ桜花賞で初GI制覇。私がちゃんと競馬を見ていた00年代は若手~中堅でいらして、期待されて知名度も高かった一方で、日本ダービーでのキングヘイローの騎乗や、GI勝利が短距離~マイルや牝馬戦に集中していたことから、「騎手が早熟のマイラー」などと揶揄されていた印象がある。それでも改めて見ていると毎年のようにGIを勝っているのだから、すごい騎手である。
 そして2018年にはワグネリアン日本ダービー制覇、2020年にはコントレイルで牡馬三冠制覇、さらに2021年にもシャフリヤールで日本ダービーを勝っており、ダービー三勝はこれはすごいことである。個人的には松尾翠さんとご結婚なさった2013年に、エピファネイア菊花賞を、ジャスタウェイ天皇賞(秋)を制したことが印象に残っていて、そこから一皮むけたように感じた。
 2023年2月19日(日)、国内最終騎乗となった東京競馬12R大島特別ではゲンパチプライドで5着、海外・サウジカップデーでの騎乗が現役最後の騎乗となるそう。一線級で衰えを見せないままの引退は残念なようにも思うが調教師としての活躍も大変楽しみである。

■ちょっと関連

philosophie.hatenablog.com