哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

本を買うこと

 

■2019年、ブログを進化させます

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JR幕張駅

 年も変わったので、当ブログ『哲学講義』をバージョンアップすることにした。

 具体的には、カテゴリ名を変更した。そう、それだけである。それだけであるが、急にひっそり変えるのも何なので、ここに私がどういう意図で、カテゴリ分けをしているかを書いておく。矢印の前は変更前のカテゴリ名、コロンの後の様な内容で、分類して、閲覧や検索に役立てたい。

 


 併せて、これまでやたらめったらカテゴリをはっつけていたが、今後は原則的に3個を限度とすることで、一つ一つの記事のテーマを絞る。同時に、過去の記事のカテゴリを見直して、全て、カテゴリの数を3個以内に修正した。 

 引き続き、当ブログ『哲学講義』をお引き立てくださいますよう、よろしくお願いいたします。 

 

■本を買うこと

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JR津田沼駅バーガーキング

 

 本を買うことが好きだ。 本を読むことよりも、本を購入して、所有することに快楽を感じる。別に価値のある本でなくともよい。ただ、その本に記された物語が、書籍という物体として目の前にあり、ページを開けばいつでもその世界に飛んでいける、そんなどこでもドアがたくさん家にあるというのは、良いことである。

 こう書くと、さぞや本屋に入り浸って、新しく出た本を買いあさっていると思われるだろう。昔、書店でアルバイトをしていたころは、それこそ、週に何度も、仕事で新刊書店に行っていたわけで、どんな新しい本が出版されているのか、少なくとも平積みされているようなものについては、把握していたし、ついついほしくなった本は購入していた。しかし、今は全然、そんなことはない。

 出版業界に対して何らかの貢献をするには新刊書の購入が一番手頃というのはわかっているのだが、私は古書店が好きである。一番の理由は安いからだ。新刊の単行本が出て、それが文庫化され、さらに手ごろな価格で古書店に並ぶのに、5年くらいはかかる。それが待てない作家の作品は新刊書店で単行本や文庫を買うのだが、そうでない大多数の作家の本は、古書店で中古の文庫を購入する。数年前に新刊書店で見つけて、読みたいなあと思っていた本が、古書店に並んでいるのを見つけることは、なかなか楽しいものである。

 また、もう一つ、私は新刊書店だと何を読んでよいのかわからない、という問題もある。本があり過ぎるのだ。私の家の近所には、かなりこじんまりした古書店があり、四畳半ほどの店内にぎゅうぎゅうに本棚や本の山が詰め込まれている。ふらっふらふらと動けば、店内のすべてを見渡すことができる。そのぐらい本が少ないと、選びやすい。とりあえず、その店にあるものの中から、気になったものを読んでみようか、という気になる。古書店でもBOOKOFFのように品ぞろえの良すぎるところはダメである。気になる作家の作品を探しに行くのには適しているが、出会いを求めにいくのなら、断然街中の出会い系古書店だ。つまり、何が言いたいかというと、大規模な街コンよりも、小規模な合コンのほうが、まあこれしかいないなら、こいつで妥協するかという、街角古本効果により、アベック生成率が高くなる気がするのだが、詳しい人はご意見をください。

 これが2016年くらいまでの私である。事態は急変する。2017年~2018年にかけて、病気で仕事を半年以上休職した。給与が減額支給になり、経済的にも逼迫したし、またその間に知り合った人が図書館を活用していると聞き、私もよりお金のかからない、図書館に軸足を移した。

 具体的には、下のグラフを見てほしい。

  

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  もともと、図書館は利用していた。ネットで予約をすると、千葉市内の図書館の蔵書を、私の最寄の図書館(公民館図書館でも可)に配送してくれて、2週間、ないし4週間借り出すことができる。発行直後で人気のある本は100名待ちとかになっているが、それでも半年とか1年とか待てば、出たばかりの単行本を無料で読むことができるのだ。初めて読んでみたい作家の本や、情報だけ仕入れて書籍を手元に残す必要のない、そしてとくに最新情報でなくてもよいような、ハウツー本や専門書の書籍を読むのには、大変便利である。

 

philosophie.hatenablog.com

 

 そういうわけで、上の記事で紹介した、昨年2018年に読了した本の、半数近くは図書館で借りたものである。そして同じくらいの割合を占めるのが、古書店で購入したものである。また3年以上前に書籍を入手し、2018年に再読したものは、一まとめにしてある。ちなみに以前に新刊書店で購入した『ペンギン・ハイウェイ』と人にいただいた『パンク侍、斬られて候』がそれである。

 また2018年、新刊書店で購入した本は、わずか2冊(雑誌は除外)。割合にすると5%であった。ちなみに椎名誠さんのイベント参加目的で購入した『おかわりもういっぱい』と、シリーズものである『扉子と不思議な客人たち』である。

 そんな私が、先日、『総特集 森見登美彦』が欲しくて、津田沼丸善に行った。検索機で在庫を確認して、文芸関連のコーナーにこの本を取りに行ったところ、村山由佳さんのところの亡くなった愛猫、もみじと目が合ってしまった。そして気が付いたら、購入しておりました、2019年の初書籍購入は、昨秋出版された、『猫がいなけりゃ息もできない』なのである。

 

 

猫がいなけりゃ息もできない (単行本)

猫がいなけりゃ息もできない (単行本)

 

 

 ところで、丸善のお姉さんが、同じ建物に入っているドトールで、ドリンクをサイズアップするクーポンをくれた。優しいお姉さんである。しかしである、このクーポンどう使えばよいのだ。例えば、日高屋の大盛無料券なら使いやすい。野菜タンメンの標準の量は決まっているから、野菜タンメンを頼んだうえで、このクーポンねと店員に渡せば、大盛が出てくるのである。ところが、ドトールのドリンクには標準のサイズはない。このクーポンではS→M、M→Lにサイズアップすることができるのだが、アイスコーヒーのMを飲みたいとき、アイスコーヒーMと言ってこのクーポンを差し出すと、店員さんはSをサイズアップしてMにするのか、注文したアイスコーヒーをLにサイズアップして、料金はMなのか、困惑するはずである。かといって、僕はMサイズが飲みたいんだけど、この特殊効果を発動するから、マナコストはS寸分しか支払わないよ、ふふっ、とか言うのはせこい気がする。一か八かで、M冷珈の声とともに、クーポン差し出して、M寸が出てきてS料金で済めば私の勝ち、L寸が出てきてM料金が取られたら、負けと、楽しむのが良いのだろうが、そこで巻き起こる複雑な人間関係を想像すると、私にはもはやそのクーポンは使えないのである。しかし、クーポンがありながらそれを使わずにドトールに行くことはなんかもったいない気がする。そのため、私はドトールに行けなくなるのである。なんと、丸善のお姉さんは、もれなく月末まで、私がドトールに行けなくなる呪いをかけてきたのだ、恐ろしい女……。