千葉市しらさぎ公園とその周囲にて撮影(2020年6月下旬)
■大賀蓮のこと
東京大学農学部厚生農場内(現・東京大学総合運動場)の泥炭層より縄文時代の丸木舟等とともに、蓮の果托が見つかったことから、植物学者で蓮研究の権威であった大賀一郎博士により、1951年3月3日から4月6日までの35日間の調査が行われ、地下約6メートルの青泥層から3月30日に古蓮実1粒を発見した。
なお作業には地元の小中学生や市民のボランティアが参加し、花園中学校の生徒がふるっていた土の中から発見された。4月6日にも2粒の実を発掘し、その後、3月30日出土の実生苗だけが順調に生育し、株分けを経て、地元の農業委員である伊原茂さんに委託された株が、1952年7月18日に開花した。
1954年3月31日付で千葉県の天然記念物「検見川の大賀蓮」として指定され、以来、この古蓮は「大賀蓮」と呼ばれている。大賀蓮は、実と同じ地層から出土した丸木舟のラジオ・カーボン・テスト等の年代測定に基づき、約2,000年前の古蓮と推定された。
以上が大賀蓮の発掘に纏わる物語である。大賀蓮はその後、千葉市の花にもなっており、我々千葉市民にとっては、日常の中に普通にあるなじみ深い花である。ちょうどこの時期6~7月頃に開花するので、せっかくなので多くの人に知ってほしいな、と思うのだが、メディアでの露出を見ると、埼玉県行田市の行田蓮の方が取り上げられているようで、残念な思いもある。
行田蓮は1971年、ごみ焼却場建設に際して出土した種子が自然発芽したという、イマイチありがたみのないエピソードで発掘されたようで、1,400年~3,000年前のものと推定されているそうだ。行田市の「古代蓮の里」という公園では、行田蓮はもちろん、大賀蓮等世界各地から集められた多種多様な蓮を見学できるそうで、地元の名物をきちんと観光資源化できているようで、羨ましいことだ。
■大賀一郎ランド建設について(32千花蓮第192号)
以上の現状を踏まえ、大賀蓮の認知向上と市外からの観光収入の獲得を目的とし、千葉市大賀一郎ランド建設を行いたい。
- 建設場所:東京都新宿区霞ヶ丘町10-1
- 建設時期:令和2年7月24日~8月9日
(開業:令和2年8月25日) - 契約方式:随意契約
- 概算経費:支出 ○○円
収入 ○○円
・入場料 8,000円× 入場者数 ○○人
・入場料以外の収入 ○○円 - 備考 :下記の特徴を備える施設とする。
- 千葉市が推進する「花のあふれるまちづくり」のシンボルキャラクターであるちはなちゃんをメインキャラクターとする。
- 正面入場口では大賀一郎博士の銅像がお出迎え。
- パーク中央には大賀一郎城(独立式層塔型5重5階地下1階)がそびえる。
- 大賀一郎城のお堀端のねちゃねちゃした泥の中から蓮の実を探す、大賀蓮発掘体験がメインアトラクション。発掘した蓮の実はお土産に持ち帰り可能(ただし、蓮の実一つにつき1,000円を徴収)。
- 大賀一郎城天守は展望台で、有料の蓮根型双眼鏡を設置(100円/3分)。都内を一望(千葉市はあまり見えない)。
- パーク内各所に世界各地ではなく、行田市から調達してきた、多種多様な蓮を展示(初夏~夏の花期以外は、池に鯉を放して釣り堀にでもしようかと思う)。
- 名物は辛子蓮根。パーク内で食べ歩きの他、お土産にも。
- 公式グッズとして散蓮華を発売。
ところで蓮の花はわずか4日間しか咲かず、それも朝のうちに閉じてしまう、とのころ。日ごとに開花の時間や形も違うそうで、2日目の6~7時に満開を迎えるころが見ごろだそうだ。短い蓮の花の命、今年の夏もし彼らを目にすることがあったら、古代から連綿と続く歴史に思いをはせてみてはいかがだろうか。
■参考
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