哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

おいしいはなし003 千駄ヶ谷厨房の「カニクリームコロッケ」のこと

■おいしいはなし003

 このところ、と言って実は一年以上の間、仕事が忙しすぎて疲れています。今月は特にいくつかの要因が重なって特に職場ですごす時間が長くなりました。以前にもご紹介したかもしれませんが、残業をしていると家に帰って遅い時間に食事をするより、仕事の合間に職場の近所のお店で食事を済ませてしまいたいもので、そうした時に大変お世話になっているのが千駄ヶ谷厨房(旧東京厨房千駄ヶ谷店)のチョイス弁当です。こちらではオカズを三種類選ぶことができて780円、近隣のお店が夜は営業していなかったり、営業していてもお酒を出すようになっていることが多い中で、がっつりと食欲を満たしてくれる洋食屋さんの存在は私にとって非常に助けとなっております。

 さてそんなチョイス弁当で私が必ずチョイスするのが「カニクリームコロッケ」。今日はそいつにまつわる昔話をしようと思います。

千駄ヶ谷厨房の「カニクリームコロッケ」のこと


千駄ヶ谷厨房のチョイス弁当(東京都渋谷区)

 渋谷区千駄ヶ谷の「千駄ヶ谷厨房」さんが現行の屋号に変更なさったのは2023年年頭のことであった。それ以前は「モダン食堂 東京厨房 千駄ヶ谷店」という屋号であった。私と東京厨房の出会いについては、以前にも書いたのだけれど、高校生くらいの頃で、高校に通う途中にあった津田沼PARCOにあった「東京厨房 津田沼パルコ店」を行きつけにしていた。本当に? と思い、過去のメール等を漁っていたところ、以下の文章が2007年1月づけで残っており、恥ずかしながら共有する。この文章をどこに掲載したのかは謎である(たぶんその当時やっていたブログだと思う)。

2007年1月

 今日、津田沼パルコのどっかの店でウィウィルロックユーが流れてました。よしよし、今日はいい日だと思いました。

 パルコの本屋で競馬雑誌を立ち読みしました。立ち読みって名詞だな? どうして立ち読むって動詞はないんだ? そこはギャンブルコーナーのすぐ横に成人誌が置いてあります。あれ? ギャンブル誌も成人誌なのかしら? まあ、いいや。それは仕方ないですね。一般的な読者層を考えれば……。それでですね、僕の後方で店員が何やら電話してるんですね。注文かなにかでしょうかねぇ。

「すみません、小学生のアイドルを特集した雑誌ってだしてますか?」

 …… いやぁ、書店員も大変ですね。お客さんの趣味もいろいろです。
 しばらくして、ふと横を見ると明らかに幼稚園生くらいの少年が隣で雑誌の表紙に喰らい付いていました。いや、ホントに食べてるわけじゃないですよ。まあ、食いいるように見つめていたわけです。あれ? 隣って……? そうです。覚えてますか? 僕の隣は成人誌です。その少年が見ている雑誌の表紙にも水着の女性の方がいらっしゃります。

 ……ボーイ?

 結局、その少年は母親に引っ張られていきました。いやぁ、今日はいろんなことがある日ですね。

 九十九ラーメンでミソラーメンを食べました。確かにおいしいですが、やはりこのラーメン屋はチーズラーメンを食べてこそ、ですね。もちろん取り放題のネギは入れ物を空にする勢いでひっかきだします。比較的すいていたのでカウンター席に僕を含めた男性6名ほどが一つ飛ばしに座ります。僕は右端から2人目、3つ目の席です。丁度、角でした。まず、僕の右側の客がいなくなりました。ほどなく、アベックが入ってきました。まあ、普通に2人並んで座れる場所って……。

 ラーメン屋に来るな、とは言いません。男女が一緒にいることは極めて普通のことです。この際男性がわざわざ奥に座って、僕の隣に女性が来たことも、まあいたしかたないでしょう。てか、そういうのって彼氏が気を付けてやった方がよくないか? 女性って普通に男性の隣に座るよりは端の方がいいんじゃ……。僕が言いたいのは、アベックで津田沼のラーメン屋に来ないでください。津田沼にはもっと他のお食事処がありますから。と言うことです。

 結論、珍しくラーメンを、しかも九十九ラーメンを食いに行った僕があさはかでした。ザぷぅ~タンズはパルコの東京厨房を応援します!!
まぁ、人生色々ありますよね?

 私が高校三年生の頃の文章である。十五年前から私が、アベックに何らかの恨みを抱いていたことがわかる。そして、十五年経っても文章能力に成長が見られていない点もわかる。

 ん? 東京厨房との思い出がまるで語られていないって? それでもこうして話題に上げる程度にはお気に入りであったわけである。

 その当時から私は東京厨房のカニクリームコロッケ(とオムライス)が大好きであった。THE 洋食屋さん、といったメニューである。揚げ物の中でも、自宅で祖母や母が作ってくれたとんかつやエビフライであったり、そこらへんのお店でもホイホイ売っているコロッケやメンチカツとは明確に一線を画すのが、カニクリームコロッケである。パリッとしたフライの殻の中に、柔らかくとろりとしたクリームを隠した、カニクリームコロッケは私にとって、永遠のご馳走である。

 この当時、大学受験の真っ只中であった。高校が終わると予備校へ行き、夜遅くまで授業を受けたり、自習したりしていた頃。私はひとり頑張る活力を津田沼の東京厨房のカニクリームコロッケから得ていた。今、私はひとり夜遅くまで、千駄ヶ谷で働く活力を千駄ヶ谷厨房(旧東京厨房)のカニクリームコロッケから得ている。なんとまあ、十五年経ってもかわらないなあ、という話である。

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