哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

2020年12月の徒然なること

■2020年12月の徒然なること

 徒然しましょうよ。

●敷設のこと4.01「さかざきちはるの本づくり展 @市川市文学ミュージアム」のこと

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 JR総武線本八幡駅からえっちらおっちら歩いて20分ほど、kamebooksさんを訪ねた帰りに、市川市文学ミュージアムにて開催中の、「さかざきちはるの本づくり展」を拝見した。

 Suicaのペンギンチーバくんでお馴染みの、千葉県市川市出身のイラストレータ坂崎千春さんの、絵本『ぴーちゃんと私』構想(文章からできるそう)から絵、印刷、製本と、本ができるまでを見せてくれる展示。

 校正段階で坂崎さんが朱を入れた戻しと、その修正版が並んでおり、実際にどのように作業なさっているのかを、リアルに拝見することができたし、製本の工程等の写真パネルでの展示は勉強になる。私自身はシルクスクリーン印刷の版を見ることができたのが良かった。原理として塞がれていないところだけ色がつく印刷方法で~、というのは知っていても、こうして実際の版を見ないことにはイメージが湧かず、今回は良い機会となった。

 紙の本はその中身、ソフトだけでなく、本としてのハードにも作り手のこだわりやメッセージが詰められている。今回はそんなことが感じられる展示であった。実は電子書籍よりも紙の本のほうが情報量が多い、本のたたずまい、重さや感触、全てが作り手からのメッセージである。ページをめくっていくことで、自分が今どのあたりを読んでいるのか、どんな速度でその本を読み進めているのかも、直感的にわかる。そんな紙の本の良さを再認識することができた。

●敷設のこと4.02「作ったZINEを本屋さんに売り込みする話」のこと

 12月10日(木)の夜、ZOOMにて開催された、双子のライオン堂 さん主催の「 太田靖久友田とん 「作ったZINEを本屋さんに売り込みする話」(オンライン開催)」に参加した。

 ”ODDZINE”の太田さんは、執筆も、ZINEを作ることも、営業、宣伝、経理も全て楽しくて、それが積み重なってこの形になっている、大手の出版業界に対して売り込みたいとか、見返したいとか、そういう期待ではなくて、これが楽しいからやっている、という発言をなさっていて、ハッとさせられた。楽しいことに目を向けたいなと、楽しければ、自分で本を作ってもいいんだと、 勉強になった。

 友田さんは先日拝読した、”『百年の孤独』を代わりに読む”の著者。初めてNENOiさんに売り込みに行った話が面白かった。当たり前だが、お二人の話を聞いていると、本屋さんの名前がポンポン出てくる。私の、知らない本屋さん、知らない本がたくさんあるということは、とてもわくわくすることである。

 また機会があればお話を伺いたいし、お二人の著作にも注目。

ののの

ののの

  • 作者:太田 靖久
  • 発売日: 2020/10/07
  • メディア: 単行本
 
■ちょっと関連

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■2020年の徒然なること

 2020年を振り返ってみると、誰もが新型コロナウイルスに翻弄された一年であった、と言うだろう。コロナのせいで何もできなかった、と。それはそうである。私も今年はほとんどを自宅のある千葉県と勤務先の東京都、あとは数回、神奈川県、静岡県に行った程度で、遠出・旅行はしていない(はずである)。

 そういう意味では失われた一年であったようにも思われる。しかし、そうした外出ができない、イベント(芝居やコンサート)を見る機会が少ないことで、今まで休日まで慌ただしく出かけていた日々を一度ストップさせ、自分の将来を見据えながらやりたいことを考えるためには、とても有意義な一年であったと感じている。

 例えば「仇櫻堂 note」を開設したことは、その一つだ。もとより本・読書は好きであったし、漠然と書くことや本にまつわることをしたいと思っていた。その一つの形が当ブログであったわけだが、より本を通して人と繋がるため、出版業界を考えるため、自分がやってみたいことを考える一年であった。詳細はnoteや 敷設のこと の検索結果 - 哲学講義 をご覧いただければと思う。

 また自分自身の健康を考える一年でもあった。コロナを恐れて、というわけではなく、単純に緊急事態宣言下で仕事にも行けずに、時間が有り余っていたから。5月頃は毎日のように近所をジョギングしていた。走ることは苦手であったが、すこしずつ走ることのできる距離が伸びていくことは嬉しかったし、元々、昨年(2019年)の秋頃から減量(食事制限)には気を使っていたが、こうした運動習慣のおかげか、緊急事態宣言の解除後は、身体が引き締まったと、周囲から言われることが多くなった。

 このブログにおいては、模索中ではあるが、投稿する記事のテーマを月内である程度バランスよくする等、ちょっとだけ編集者的な目線で構成を考えることができるようになったと自負している。毎週毎週思い付きで記事のテーマを決めていたのを止め、”○月の読書のこと”を毎月、”○月の徒然なること”をほぼ毎月投稿、とパターンを設けて、そこに不定期で”絵画等のこと(美術鑑賞等)”、”映画等のこと(映画鑑賞等)”、”敷設のこと(パラレルキャリア等)”の連載や、冠を付けない、能楽鑑賞の記録等を入れていくと、なんとなくまとまりとひろがりのバランスが良くなったように、自分では思っている。

 末筆になりましたが、2020年も当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。2021年も変わらず、彷徨いながら週に一度日曜日の投稿を続けますので、変わらぬ応援の程、よろしくお願いいたします。冷え込みの厳しい時期ですがご自愛なさって、どうぞ良いお年をお迎えください。