哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

【能楽どうでしょう】

井筒のこと

井筒のこと 能の有名な曲の一つに、井筒という曲がある。今日はそれについて話をしよう。 この曲は平安初期に成立した歌物語である、伊勢物語の23段(および大和物語)にて語られる、筒井筒の話に取材している。伊勢物語で、昔、男ありけり、と語られる昔男は…

能楽師の娘のこと

■能楽師の娘のこと 先日、TBSの世界ふしぎ発見!での「万葉集~千年の時を超える日本人らしさの秘密」において、大倉流小鼓方能楽師の人間国宝、大倉源次郎師のご息女である、大倉未沙都さんがミステリーハンターとして出演なさっていた。2013年に同番組の13…

み絲之會:第一回素謡・仕舞の会のこと

■み絲之會:第一回素謡・仕舞の会のこと 以前拝見した、2019年5月31日のみ絲之會第四回公演と、先日8月7日の能楽金春祭りにおいて、8月29日のみ絲之會の第一回素謡・仕舞の会のチラシを頂いた。それぞれの過去の公演の観能の記録は、以下の記事に載っている…

亜熱帯

汝にかかわりなきことを語るなかれ しからずんば汝はこのまざることを聞くならん ■古書店 分厚いハードカバーの本の表紙には、開かれた本、浜辺とヤシの木、そして人間が描かれていた。本のタイトルは『熱帯』とある。 私はその本を持って、電車に揺られてい…

今週は投稿をおやすみしますのこと

■今週は投稿をおやすみしますのこと さて、これまで一年以上の長きに渡って、毎週一件(以上)の投稿ペースを守ってきたのだが、この程、誠に残念ながら、それをおやすみしたく、こうして事情の説明を述べるものとする。 そもそも、今週(2019年7月14日)に投稿…

小鍛冶のこと

nohgakuusagi.web.fc2.com ■小鍛冶(コカジ)のこと なにか小鍛冶について書こう。そう思い立ったのはいつのことであったであろう。私は小鍛冶について書かねばならない、今はそんな使命感だけが私の脳裏を埋め尽くしてる。いや、この表現は正確ではない、私は…

迷いと決断のこと

■迷いと決断のこと ●めざめ 令和元年6月2日、私は朝8時に目を覚ました。昨夜は、自由に使える時間があったのだが、夕飯のカレーライスを食べ終えて、Youtubeでゲームの実況動画を見ているうちに、気が付いたら随分と時間が過ぎてしまっており、眠くなってい…

武田神社薪能のこと

■武田神社に行ってきた! 十一時丁度之梓十一号デ私ハ私ハ私ハ私ハ旅立ツゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ。人気デュオのハンターズの歌声がラジオから流れていた。 平成三十一年五月二十五日、夢の中では妙なことに、元号が令和というものに変わっており、何らかの政…

能楽と動物のこと

■能楽と動物のこと 能楽に関する記事と、動物に関する記事が、やや少なくなっている。文章を書くにあたって、やはり、鮮度のあるものだと、良いと思う。その点、何か展示を観に行ったとか、舞台を観に行ったとなると、文章にしやすいと思うのだが、生憎とこ…

『能・狂言の誕生』のこと

■『能・狂言の誕生』のこと 諏訪春雄さんによる『能・狂言の誕生』を読み終わらなかったので、その間に感じたことを記す。 能・狂言の誕生 作者: 諏訪春雄 出版社/メーカー: 笠間書院 発売日: 2017/01/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見…

徒然なること

■徒然なること お馴染みのカフェ・ド・クリエで緑色の頭をした男性が給仕をしている。緑色の髪の人を雇ったのかと、思ったのだが、ふと、働いていた男性が緑髪になったのかも、と思い直した。わからない、毎週のように訪れていながら、ここの従業員で、私が…

能楽師狂言方:大藏家vs野村家のこと

■能楽師狂言方大藏流大藏家と和泉流野村家との血みどろの抗争のこと 2019年、平成最後の年、能楽界に激震が走っている(ウソである)。 そもそも能と狂言の総称である能楽において、役者は4つのグループに分類される。能で主役を務め、また地謡というコーラ…

みること

●みること ◎青山能、3D能、ボヘミアン 今、我々は多種多様なものをみている。 生活のためのみるから、美術品を鑑賞するのみる、舞台の上で繰り広げられる芸能をみる、そして、テレビやインターネットを通して映像をみる。中でもこの百年程での映像技術の発…

「大名家の能装束と能面」&「森の動物とキノコ展」のこと

■渋谷と高円寺を梯子しました 秋も深まり、カフェ・ド・クリエの空調も肌寒く感じる今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。私はこの日曜日は、渋谷と高円寺を梯子して、精力的に動き回りました。 渋谷では、渋谷区立松涛美術館で行われている、「大名…

俊寛のこと

■俊寛のこと ●鹿ケ谷の陰謀のこと 皆さんは、鹿ケ谷の陰謀を知っているだろうか。中学や高校の歴史の時間に、名前だけは聞いたことがあるのではないだろうか。1177年、打倒平家、平清盛を目論む後白河法皇の一派が、鹿ケ谷の山荘で謀議を行ったことが露見し…

金沢のこと

■金沢のこと ●金沢21世紀美術館 この美術館は特異な美術館である。美術館の建物の内外には、十点ほどの、彫像やインスタレーションアートが存在し、それらを一部無料で鑑賞できる。すべてを鑑賞するためにはその時の企画展示のチケットを買わなければならず…

金剛宗家の能面と能装束展@三井記念美術館のこと

■金剛宗家の能面と能装束展@三井記念美術館のこと 今日、日本橋の三井記念美術館へ、表題の展覧会を見に出かけてきた。そのことについて、記す。 そもそも、能で面をかけて主役を務めるシテ方という役割には、シテ方五流と言って、観世、宝生、金春、金剛、…