哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

2020-01-01から1年間の記事一覧

2020年5月の読書のこと「エリック・ホッファー自伝 構想された真実」

■エリック・ホッファー自伝 構想された真実(エリック・ホッファー/作品社)のこと 以下は平成32年5月、R大学11号館地下講堂において行われた講演の音声を 書き起こしたものである。なお、その際に講演者が用意したスライドは、上の動画の通りである。 エリ…

能の演目のこと②

■能の演目のこと(場面 / 上演時間) 下記のWebページ、”the能ドットコム”の”能楽・演目事典”に掲載の92曲のDATA欄より情報をとり、能の場面(舞台)や上演時間に従って、整理を行う。現在演じられている能の曲目は約240曲だそうなので、その半分も網羅でき…

宗八④

■宗八④ 【前】 philosophie.hatenablog.com 【最初】 philosophie.hatenablog.com ●Versuch über die Krankheiten des Kopfes 宗像新八は文章にひと段落をつけてノートパソコンから目を離した。これで、とりあえず形になった。そう、多少の安心感はあったし…

ステイホームのこと②

■ステイホームでできる10のこと 今日、歩いていてふと思ったことがある。所得が30万の人と、60万の人がいた時、昨今のコロナによる経済の縮小に伴い、減給されるとしたら、①同率、例えば20%減で24万・48 万とするのが良いのか、②同額、例えば9万減で21万(3…

能の演目のこと①

■能の演目のこと(題材・典拠 / 作者) 下記のWebページ、”the能ドットコム”の”能楽・演目事典”に掲載の92曲のDATA欄より情報をとり、作者や題材等に従って、分析を行う。現在演じられている能の曲目は約240曲だそうなので、その半分も網羅できていないが、…

ステイホームのこと①

■ステイホームのこと① ●新型コロナウイルスとコロナうつのこと 新型コロナウイルス感染症ですが、引き続き状況が変わらないというか、好転する様子がない、ようである。報道においても”政府内では、来月(2020年5月)6日までの緊急事態宣言を全面的に解除す…

平知盛のこと

■平知盛のこと 「見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん」みたいなことを言って、壇ノ浦に沈んだ人を知らないだろうか。そう、高校の古典の教科書等でご存知の方も多いであろう、平知盛である。父は平清盛で兄弟に宗盛や建礼門院徳子(高倉天皇の中宮で…

スーパー歌舞伎Ⅱ「新版オグリ」のこと

【紹介している動画の公開期間の関係で4/19 22:00分の記事を先行して公開しております】 【南座】スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』好評発売中!4月13日(月)16:00から、南座 スーパー歌舞伎II(セカンド)『新版 オグリ』舞台収録映像の無料配信が始まりま…

続々々・最近見たもののこと

■続々々・最近見たもののこと 今年、2020年は1月下旬より、新型コロナウィルスの世界への蔓延が始まり、現在も世界中でこの感染拡大の終息の目途が付かない。日本でも政府・各地方自治体が住民に対して外出自粛を訴える異常事態である。 感染拡大を防ぐとい…

能舞台の世界 ( 小林保治・表きよし[編集] 石田裕[写真監修] /勉誠出版 ) のこと

中尊寺鎮守白山神社能楽殿 ■能舞台の世界 ( 小林保治・表きよし[編集] 石田裕[写真監修] /勉誠出版 ) のこと 標題の書籍を読了した。この本は二部構成で第一部は能舞台の歴史や概略、鏡板の松についてなど、能舞台全般のことが記されている。第二部では、各…

冬の旅

【本記事が3/12 22:00に草稿段階で投稿されるミスがありました。申し訳ございません。3/29 22:00完成版を再投稿いたします。】 ■冬の旅 バタバタと日常をこなすうち、執筆にかける時間が取れなそうであり、(しかし、その危機は、諸々の事情で回避されたので…

在野研究ビギナーズ~勝手にはじめる研究生活~(荒木優太〈編著〉/明石書店)のこと

■在野研究ビギナーズ~勝手にはじめる研究生活~のこと 在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活 作者:荒木 優太 発売日: 2019/09/06 メディア: 単行本 ●概要 本書は大学(院)に属さずに研究活動を行っている人々が、各々の事例を紹介する、と言った趣…

ミッドサマーのこと

■ミッドサマーのこと 話題となっている映画「ミッドサマー(ディレクターズカット版/R18)」を鑑賞してきたので、その内容をここに記す。 そもそもこの映画は、スウェーデンのいずこかでコミューン(共同体)を作って暮らしている人々の、90年に一度の夏…

深大寺の100のこと

■深大寺の100のこと 深大寺は東京都調布市の天台宗の寺院である。天台宗別格本山、浮岳山。東京都立神代植物公園は旧寺領。 深大寺を開いたのは満功上人。 満功上人の父が福満。深沙大王に祈願して、霊亀に乗って、恋を成就した。 深沙大王は玄奘三蔵が唐か…

日本舞踊「歌舞伎舞踊」×能楽「仕舞」 @青葉の森公園芸術文化ホール のこと

■日本舞踊「歌舞伎舞踊」×能楽「仕舞」 @青葉の森公園芸術文化ホール のこと おなじテーマの日本舞踊・能楽の踊りを、演者による解説を交えて見比べます。2020年2月23日(日)13:00開演演目:菊慈童(枕慈童)、松風出演・講師:藤娥勘寿娥(日本舞踊藤間流…

巴・鵜飼のこと

■立春能 @宝生能楽堂 のこと 2020年(令和2年)2月2日、我が職場の来館者用記念スタンプの「2」が枯渇した日、私は宝生能楽堂の女性能楽師による会を拝見していた。 女性がシテ(主役)を勤める能と、その合間に狂言を6時間ぶっ続けで鑑賞できて、自由席5,0…

続々・最近見たもののこと

以下の通り、最近見たものについて説明するものである。3つのトピックをあげて計画されしこの記事であるが、3つ目の記事を書かないという荒業によって完成を見た。その分、2つの記事について、濃度の濃いものになっているかというと、そういうわけでもない。…

ポケットティッシュのこと

【本記事が2/9 0:00に草稿段階で投稿されるミスがありました。申し訳ございません。2/9 22:00完成版を再投稿いたします。】 ■ポケットティッシュのこと これはある家に思い出として埃を被っていた、ポケットティッシュたちを、虚実入り交えて紹介する、ドキ…

名残の花(澤田瞳子/新潮社)のこと

名残の花 作者:澤田 瞳子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/09/26 メディア: 単行本 ■名残の花のこと いまもっとも勢いのある若手時代小説作家である、沢田瞳子の『名残の花』を拝読しました。元南町奉行の老武士鳥居胖庵と、金春座の地謡方の若手能楽…

ずっと公共交通機関のこと

■九回目の世界の低次化について・抄 彼女が池袋から帰る道すがら、また先程のようなへんてこな男性に絡まれてしまうと可哀相なので、僕は少し変った電車を考案してみよう。 電車の基本的な外観はいつもの直方体で車輪がついたあの形であるが、その電車には側…

東北・船弁慶のこと

先日、矢来能楽堂で行われた円満井会定例能を拝見した。その時の演目について、思ったことと学んだことを記す。(注連縄が張ってありました、お正月だからでしょう) ■東北のこと すべで津軽弁で上演される、珍すいお能。東北地方出身の僧がいわぐありげな梅…

馬のこと

■馬のこと 私は小学校4年生の時に家族旅行で行った、北海道のノーザンホースパークでの体験乗馬をきっかけに、乗馬に取り組むようになり、かれこれ20年くらい、趣味:乗馬、ということになっている。もっとも、この20年の中には1年以上馬に乗っていない時期…

2019年の読書のこと

■2019年に読んだ本ベスト5 昨年同様、2019年に私が読んだ本(出版年問わず・再読含む)を対象書籍とし、その中からベスト5を上げて感想を述べていくこととする。 ●第5位:『猫がいなけりゃ息もできない』(村山由佳/ホーム社) 猫がいなけりゃ息もできない 作…

2020年 謹賀新年のこと

あけましておめでとうございます。 旧年中は大変お世話になりました。 来る2020年が皆様にとりまして、平穏で幸多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。 本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。